携帯電話持ち込み禁止「維持を」 全連小と全日中が表明

学校への携帯電話持ち込みの是非を検討している文科省は7月24日、有識者会議の第4回会合を同省で開き、全国連合小学校長会(全連小)、全日本中学校長会(全日中)、全国高等学校長協会(全高長)からヒアリングした。全連小と全日中の代表者は「現状では課題が多い」などとして、同省が2009年に通知した原則禁止措置を維持すべきとの見解を表明。保護者が携帯電話の持ち込みを求める場合には、例外措置として個別対応することが望ましい、とした。

会議の席上、全連小の調査研究部長を務める東京都江東区有明小学校の赤堀美子校長は、学校への携帯電話持ち込みを巡る課題として▽小学生では所有率が低く、学校が持ち込みを認めると保護者の経済的負担が大きい▽低学年の子供に持たせるリスクを、重く捉えている保護者が多い▽登下校中に子供たちが携帯電話を操作すると、交通事故などにつながる恐れがある▽SNSに関するトラブルに子供たちが巻き込まれやすくなる▽携帯電話を所有するかしないかを理由とする、子供同士のトラブルが発生しやすくなる▽校内や登下校時に発生する携帯電話の問題について、学校に相談が寄せられることが避けられず、それに対応するために本来の教育活動に影響が出る▽BYODの取り組みも理解するが、小学校は義務教育なので、学習に必要な環境整備は学校設置者が負うべきだ――といった項目を挙げた。

こうした課題の多さから全連小では、携帯電話の持ち込みを原則禁止とする「従来の方針は、妥当である」と結論づけ、保護者の強い希望があった場合には、学校長が個別に認めるなどの対応をすることが最善の策であるとの意見を表明した。

全日中は、生徒指導部長の東京都大田区立大森第三中学校の笛木啓介校長が出席し、「現時点で、学校への携帯電話の持ち込みを認めるのは時期尚早」との意見を説明。

持ち込みを認める場合には、▽保護者の責任を明確に位置付ける▽学校の管理責任を果たすため、施錠可能な保管ボックスなど施設の整備や、過失による破損に備えた損害賠償保険への加入などの予算措置▽授業風景などの盗撮が起きないよう、生徒に向けたリテラシー教育の充実▽携帯電話を持っていない生徒への配慮――などが必要だと指摘した。

また、全高長の生徒指導研究会委員長である千葉県立君津商業高校の布施彰次校長は、都教委が校長の判断で都立高校へのスマホの持ち込みを容認するとの方針を打ち出したことを踏まえ、「公共交通機関があまり便利ではない地方では、通学時に保護者らと連絡を取るために携帯電話が必要という事情もある。地域の実態にあわせて柔軟に判断するしかない。教委がガイドラインを示すことも選択肢だと思う」と話した。