ICTで遠隔から部活指導 顧問の負担軽減へ、気仙沼市

宮城県気仙沼市教委は7月25日、仙台大学(宮城県柴田町)、ソフトバンク(東京都港区)と「ICT等を活用した部活動支援事業に関する連携協定」を締結し、スポーツ遠隔指導を柱とした部活動支援を始めることを明らかにした。同社のICT技術を活用し、仙台大学の教員が遠隔地から中学校の部活動を指導する。顧問を務める教員の負担を軽減しながら、部活動のレベルアップや生徒の競技力向上を図る狙い。

ICTを通じた大学教員による部活動指導を受ける生徒(ソフトバンク提供)

使うのは同社のオンラインレッスンサービス「スマートコーチ」。同社から貸与されたタブレット端末で顧問や生徒が練習の様子を撮影し、その動画を仙台大学に送信すると、同学教員が動画に緑や青の矢印を書き込んだり、音声を取り込んだりして送り返す。送信後約1週間で送り返される予定で、1校当たり月2~3回程度のやりとりを想定している。

市教委によると、全市立中学校10校がこの支援を受ける。対象となる部は野球、サッカー、バレーボール、バスケットボール部で、期間は今月から20年3月末まで。

同市では学校の小規模化が進んでおり、教員数が削減されていることから、その種目の経験がない教員が顧問になるケースが増えているという。小山淳教育長は「スポーツ経験がない顧問もいる。事業を活用して、指導環境を改善していきたい」と語る。

「ICTを活用した部活動支援事業」のイメージ図(ソフトバンク提供)

同事業は、今年1月に宮城県教委と同社が結んだ教育推進連携協定の一環。指導者不足に悩む郡部での部活動をITで支えると決定していた。同社によると、部活動支援についてこうした協定を結んだのは全国で初めてだった。

「未来の教室」事業を進める経産省は、ICTによる部活動支援を同事業の事例の一つとして公式ホームページで紹介している。同省担当者は「部活動の顧問になったものの、その種目をやったことがない教員の悩みと負担を軽減するだけでなく、練習格差の解消や、指導の幅の広がりにもつながる」と期待を寄せる。