【石川一郎氏×矢萩邦彦氏】成功する教育改革の共通項は

21世紀における教育を考える連続講座「未来の先生展セミナー」の第2回が7月26日、都内で開催された。テーマは「『教育改革』時代を生きる教師のための対談 ―これから必要なことを参加者とともに考える―」。21世紀型教育機構理事で香里ヌヴェール学院学院長の石川一郎氏と、知窓学舎塾長の矢萩邦彦氏が対談した。

対談する石川一郎氏と矢萩邦彦氏(左)

石川氏は冒頭、「今までの教育改革は現場から『そろそろ変わりたい』というものだったが、今回は世の中から『教育はこういうふうに変わってよ』と出てきたもの」と指摘。

矢萩氏はキャリアコンサルティングを行うなかで、企業人事から「現場にすぐ出せるような教育を大学や高校、義務教育でしてきてほしい。いまは入社後に再教育する必要がある」という声を聞くと語った。

対談の中では、社会のニーズと学校教育が乖離(かいり)した原因として、「学校がやることを標準化させようという圧力があったこと」や「ゆとり教育への反発」などが挙げられた。

また、教育改革がうまくいく事例について、石川氏は「共通するのは、帰国生(帰国子女)や留学生が来る学校」と述べ、「周囲と異質な存在が入る多様性の側面」が重要と強調。

矢萩氏は、せっかく異質な存在がいても現場が変わらない面があることも指摘し、「例えば物語を読んでストーリーをまとめるよう課題を出すと、箇条書きにする子、絵だけを描く子、数式でまとめる子など、いろいろなタイプの子がいる。しかし、この子たちは学校でこれをやると怒られて、苦手なやり方を強制されてしまう」と述べた。

「探究型学習」については、矢萩氏は「なにが探究かわからないまま探究させる『探究地獄』に陥っている」とし、石川氏は「探究というのは何かのために学ぶものではなく、それ自体が楽しいもの。『自己目的性』が要だ」と指摘。教員自身が、自分の担当教科を深掘りしていることも大事だと話した。

矢萩氏はまた、いわゆる「従来型」と「探究型」は決して対立するものではなく、またそれに気付かない限り、両者を接続することもできないと説明。「誰も答えを知らない問い」をみんなで考えることで、それぞれが自分の考えを口にすることに慣れてくるとした。

連続講座「未来の先生展セミナー」は、9月に行われる教育イベント「未来の先生展2019」に併せて企画されたもので、毎回特定のテーマに焦点をあててゲストを招いている。 「未来の先生展2019」は9月14日(土)、15日(日)の2日間、東京都千代田区の明治大学駿河台キャンパスで開催される。