一律の黒染め指導はしない 2万筆の署名に都教委が回答

学校の頭髪指導を巡り、「黒染め指導」や「地毛証明書」の撤廃を求めていた「#この髪どうしてダメですか・署名プロジェクト」は7月30日、東京都教委に対して、約2万筆の署名と要望書を提出した。署名を受けて都教委は、生徒に対し一律に黒染め指導をしないことと、地毛証明書は事実誤認を防ぐためのもので、提出は任意であることを、所管する学校に周知していく方針を示した。

署名を手渡すプロジェクトメンバーら

同プロジェクトは、高校生のころに本来の髪の色が黒ではないことを示す地毛証明書を提出していたにもかかわらず、学校から髪を黒く染めるよう求められた経験を持つ大学生を中心に、インターネット上で署名活動を展開。7月29日までに1万9138筆の署名が集まった。

また、署名と合わせて提出された要望書では、都立学校で黒染め指導を行わないことを通達することや、学校のホームページでの校則公開を推進するよう求めた。

署名を受け取った都教委の佐藤聖一指導部高等学校教育指導課長は「頭髪指導を行う上では、生徒一人一人の状況を踏まえ、学校と生徒、保護者の信頼関係を構築し、丁寧に対応していくことが必要だ」との認識を示した上で、▽生来の頭髪を一律に黒染めするような指導は行わない▽校長が保護者から、生徒の髪が生来のものであることを書面で届け出ることを求める場合は、事実誤認による指導を行わないようにするための趣旨であること、届け出の提出については任意であることを生徒と保護者に明確に伝える――を各学校で取り組んでいくと応じた。

プロジェクト賛同人の駒崎弘樹フローレンス代表は「さまざまな髪の色の子供が増えている中で、黒く染めさせるのは人権侵害だ。学校現場により近い都教委が率先してこの問題に取り組めば、全国に広まる可能性がある。教師や教育委員会もこの問題をどうにかしたいと思っているはずだ。これからも対話を続けていきたい」と述べた。

プロジェクトを立ち上げた大学生は「約2万筆の署名の中には、実際に黒染め指導を受けて嫌な思いをした生徒がいるはずだ。これからこの状況が変わるかもしれない感触を得て、少し安心した。黒染め指導で傷ついている中学生や高校生は、そのつらい気持ちを抱え込まずに打ち明けてほしい」と話した。

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