【全国学力・学習状況調査】英語「話すこと」の平均正答率3割

文科省が7月31日に公表した2019年度の全国学力調査では、初めて中学校で英語を実施した。「読むこと」「書くこと」「聞くこと」「話すこと」の4技能を問い、「話すこと」では、学校のコンピューターに生徒が音声を入力する形で解答した。国語や数学と比べると英語の平均正答率は低く、特に「話すこと」は30.8%だった。また、音声データが欠損するなどして、採点できなかったのは、調査に参加した生徒の1.6%を占めた。

英語の「話すこと」調査で正答率が10.5%だった大問2(文科省のデモンストレーション)

中学校の英語は9988校で実施し、そのうち「話すこと」調査は9489校で行われた。「話すこと」調査を実施しなかった学校のうち、コンピューターなどのICT環境を理由にしたケースが434校、聴覚障害のある生徒を調査対象外とした53校、調査当日にコンピューターのトラブルなどで実施を取りやめたのが12校あった。

筆記試験の英語の「読むこと」「書くこと」「聞くこと」調査の平均正答率(国公私立)は56.5%で、話し手や書き手の伝えたいことを理解するなど文章の要点を捉えることや、基本的な語句や文法事項の知識を活用し、まとまった文章を書くことに課題がみられた。

都道府県別(公立のみ)に平均正答率をみると、東京都(59%)や神奈川県(同)、福井県(同)で高く、沖縄県(50%)や佐賀県(51%)、岩手県(52%)、高知県(同)で低かった。政令市(公立のみ)では、さいたま市(62%)や横浜市(60%)で高く、北九州市(51%)や大阪市(54%)で低かった。

問題では、学校を表すピクトグラムについて、条件に合わせて25語以上の英語で自分の意見を書く大問10で、約半数の生徒が25語以上の文章を書けていたものの、主語や動詞の欠落、文法の誤りなどの誤答が多くみられ、正答率は1.9%と著しく低かった。大問10について国立教育政策研究所の笹井弘之教育課程研究センター長は「設問そのものは適切だったと考えている。問題の性質上、個々の生徒によって解答の状況は異なる。正答率の低さだけに注目せず、学校現場では報告書の解答類型などを踏まえた指導をしてほしい」と話した。

「話すこと」調査の平均正答率(国公私立)は30.8%だった。なお、「話すこと」調査の平均正答率は「読むこと」「書くこと」「聞くこと」調査と実施生徒数が異なるため、参考値として集計。都道府県や政令市別の平均正答率も公表していない。生徒と外国人教師の会話を踏まえて質問をする大問2では、正答率が10.5%にとどまるなど、英語で即興のやり取りをすることに課題がみられた。

生徒への質問紙調査では、「英語の勉強は好きか」「英語の授業はよく分かるか」などの質問と平均正答率に相関がみられた。
また、「話すこと」調査を実施したものの、音声データの欠損や音声の聞き取り不能で採点できなかったのは1万5298人で、そうした生徒がいた学校は1658校に上った。これは「話すこと」調査を受けた生徒の1.6%、学校の17.5%を占めた。

音声不備のうち、全設問の音声データが作成されているが、雑音の混入などにより聞き取り不能だったのは2106人(960校)、設問ごとに作成される音声データが作成されていなかったのは1万1661人(629校)、調査実施者数よりも回収用USBメモリー内の音声データ数が少ない状態だったのが、1531人(244校)あった。

文科省では現在、全国学力調査に関する専門家会議のワーキンググループでトラブル事例などを検証し、9月までに報告を取りまとめる方針。