教採試験で答案紛失に出題ミス、正答表の誤りも 都教委

都教委は7月30日、2020年度教員採用試験で、答案の紛失と出題ミス、正答表の誤りがあったと明らかにした。

問題文中、枠で囲まれた単位に誤りがあった(都教委ホームページより)

答案の紛失があったのは7月14日から実施していた第1次選考の専門教養で、受験者1人分。試験終了後、監督者は紛失された答案を含め全ての受験者の答案があることを確認し、封筒に入れて試験本部へ提出したが、採点作業時には見当たらなくなっていた。

都教委は「試験本部で答案の枚数を再確認していた際に紛失したと考えられる」としている。紛失が分かった時点で答案が入っていた封筒はすでに焼却処分されていたため、原因は特定できなかったという。

答案を紛失された受験者については「不利にならないよう取り扱う」とのみ説明。教育新聞の取材に対し、「詳細は公表できない」とした。受験者に対しては紛失があったことを謝罪し、今後の対応について理解を得られたと述べる。

出題ミスがあったのは、「高校・工業」と養護教諭の専門教養。いずれも試験終了後、都教委ウェブサイトで正答と問題を公開したところ、都民と受験者から問い合わせがあり、誤りが発覚した。

「高校・工業」では、熱伝導に関する大問で、文章中の空欄に当てはまる語句を選ぶ問いについて、文章中に示された熱流と1時間当たりの熱量の単位が正しくないため、正答を選択できないものになっていた。

養護教諭のほうでは、バイタルサインの測定方法として適切なものを二つ選ぶ問いで、正答となるべき選択肢の一つが、「傷病者の呼吸回数と異常呼吸の有無を調べる」とすべきところを、誤って「測定者の呼吸回数と異常呼吸の有無を調べる」としていたため、正答が一つのみとなっていた。

いずれも受験者全員を正解とする。「高校・工業」は51人、養護教諭は678人が受験していた。

また、「中高・保健体育」「特別支援学校・保健体育」「高校・工業(工芸系)」、養護教諭の正答表に誤りがあったことが、都教委内部の確認作業で分かった。「完全解答」の記載漏れ、配点欄の誤記載などが備考欄にあった。現在は修正されている。

都教委は「受験者に多大なる迷惑をかけ、都民の信頼を損ねたことを深くおわびする」と陳謝。

再発防止策として、答案紛失については▽試験本部での再確認の作業手順を明確化する▽選考終了後、不測の事態に備え、封筒など使用した資材を一定期間保管する――とし、出題ミスと正答表の誤りについては▽各点検項目の作業手順を詳細化し、点検の精度を上げる▽複数名による相互点検の体制を強化する――としている。

20年度東京都教員採用試験には1万2271人が応募し、応募倍率は3.8倍だった。第2次選考は、面接試験を8~9月、実技試験を9月8日に実施する。最終合格発表は10月18日。