プログラミング教育で何をどう教えるか 都内でシンポ

「プログラミング教育で何をどう教えるか」をテーマにしたシンポジウムが8月1日、都内で開催された。主催は次世代幼児教育研究プロジェクト。小学校教員を中心に30人が参加した。3回目の開催となる今回のシンポジウムでは、学校現場でプログラミングをどのように実践するべきか、事例紹介やグループワークでの教材体験を通して参加者とともに考えた。

現場で困っていることを話し合うパネリストら

事例紹介では、東京都東三鷹学園三鷹市立第一小学校の﨑村紅葉教諭が、ピアニストの生演奏を聴いた6年生児童がそこから得たイメージを基に、プログラミングソフト「Viscuit」を使って、動く絵づくりに挑戦した授業実践を紹介。

「プログラミングソフトを使うことを目的として授業を行うのではなく、Viscuitをうまく活用することによって、子供たちの創造性を高められた」と話した。

江戸川区立東小松川小学校の鈴木康晴教諭は、「Scratch」などを使った授業実践を紹介。「洗濯機や電子レンジなど、自分たちの身近な多くのものがプログラミングで動いていると知ってから授業をやるのとやらないとでは、学びが大きく違ってくる。そうしたマインドも大切にしてほしい」と強調した。

また、府中市立府中第三小学校の山内佑輔教諭は、PCやタブレットを使わないプログラミング教材「プリモトイズ キュベット」を使った模擬授業を行った。「プログラミングに限らず、授業では『失敗してもOK』ということを伝えている。そのために授業の中で、必ずつまずくようなポイントも作っている」と話し、「キュベットのような教材ならば、低学年にもフィットする。子供も先生も楽しくできることから始めてほしい」とアドバイスした。

パネルディスカッションでは、情報通信総合研究所特別研究員の平井聡一郎氏がモデレーターを務め、プログラミング教育必修化を前に、現場で困っていることについて3人の教諭とディスカッションした。

校内にプログラミングを広めるために、どう工夫しているかを問われた鈴木教諭は「自分の空きコマに各学年の先生から時間をもらって、プログラミングの授業をして先生たちに見てもらっている。そうすると自ら取り組んでくれる先生が出てきて、職員室でも話題になる。このように少しずつ広げていっている」と話した。

また、授業で使うプログラミングツールの選び方について、山内教諭は「授業時間の全てを説明に使わなくてはいけないようなツールはダメだと思っている。10分くらいの説明で子供たちに『やってごらん』と言えるものを選んでいる」とアドバイスした。

平井氏は「今後必要なのは、コミュニケーション、クリエーティブ、スペシャリティ」と話し、「こうした学びはプログラミングで育めるのではないか。来年度からのプログラミング教育必修化を前に、現場では焦りも出てきているが、まずはやれるところからやるべきだ。今年の夏に全ての小学校教員にはプログラミングを体験してほしい。実感しないと先に進まない」と総括した。