高校生が模擬裁判選手権 論理的思考力や分析力を競う

架空の事件を題材に生徒が法廷で争う「第13回高校生模擬裁判選手権」の関東大会が8月3日、東京地方裁判所で開催され、地区予選を勝ち上がった8校の中から、静岡県立浜松北高校が優勝に、中央大学杉並高校が準優勝に輝いた。日弁連の近藤幸夫副会長や元NHKアナウンサーの堀潤氏などが審査員を勤めた。

独特の緊張感が漂った模擬裁判

同選手権はそれぞれの学校が検察チームと弁護士チームを組み、生徒自身が事前に争点を見つけ、日弁連などから派遣された弁護士らにアドバイスをもらいながら準備を進める。

この日も実際の裁判さながらに、生徒たちが法廷で冒頭陳述や証人尋問、被告人質問、論告などを行い、論理的に考える力や分析力、主張の分かりやすさなどを裁判官らが審査した。

題材は、漫画家を目指す被告人が雑貨店で未会計のコーヒーパウダー粉4点を店外に持ち出した事例。被告人にコーヒーパウダーを盗むつもりがあったか否かを争った。

終了後、生徒たちにアドバイスする堀潤氏(右から2番目)

生徒たちは図を用いて被告人や証人の動きを分かりやすく示した上で、矛盾点を指摘したり、状況に応じて新たな質問に切り替えしたりしながら裁判を進行。レプリカを用いて当時の被告人の様子を再現するチームや、ダンボールで作った矢印棒を使って自分たちの主張を述べるチームなど、高校生らしい斬新な工夫が随所に見られた。

参加した生徒は「初出場だったので、準備の段階から時間に追われたけれど、私たちの強みである臨機応変なところが生かせた。この選手権を通して何事も実践してみなくては、新たな発見はないのだと実感した」と感想を話した。

審査員の堀氏は終了後の講評で、「皆さんがこだわりや誠意を持ち、どれだけ事実に迫れているかに注目した。私たちはつい自分の常識に当てはめて物事を考えてしまいがちだが、それが思い込みではないのか、自問自答してほしい。100人いれば100通りの考え方があることを体感しながら、これからの社会を生きていってください」とエールを送った。