海外経験を日本で生かす グローバル教師フォーラム開催

海外の在外教育施設で指導した経験を、日本の学校でどう生かすか――。文科省は8月5日、「第2回トビタテ!グローバル教師フォーラム」を省内で開いた。実際に在外教育施設に赴任した教員が、日本と海外の学校文化を比較し、帰国後に授業や指導観がどのように変わったかなど、成果を報告した。外国人児童生徒が増加している静岡県浜松市の花井和徳教育長は、海外で指導経験のある教師が学校のグローバル化を推進する役割を果たしてくれると期待感を示した。

米国の学校文化から得た気付きを話す雨宮副校長

同省では、日本語学校をはじめとする在外教育施設に教師を派遣し、グローバルな視点を持った教師を戦略的に育成する「トビタテ!教員プロジェクト」を実施。在外教育施設で指導した経験を、帰国後の人事配置や評価に生かす取り組みを進めている。

米国ワシントンにあるワシントン補習授業校に2011年から3年間、教頭として赴任した雨宮真一・東京学芸大学附属国際中等教育学校副校長は「ある日、教師の褒め方は日米で違うことに気付いた。日本では『よくできました』とゴールに立っているイメージだが、米国では『あなたが私のクラスにいてうれしい』とスタート地点で見守っているように褒めている。どちらにも良しあしがあるが、日本に帰国してから、生徒を褒めるときにどちらの方が効果的かを場面ごとに意識して、ハイブリッドな褒め方をするようになった」と、日米の学校文化の違いや保護者、現地の人々との交流から、自らの授業や指導観を見直すきっかけとなったエピソードを披露した。

花井教育長は、浜松市で増加する外国人児童生徒への対応で、日本語指導の人材確保に課題がある現状を報告。19年現在、市内の小中学校には30カ国1796人の外国人児童生徒が在籍しており、多国籍化が進み、日本で生まれた外国人児童生徒も増加。同市では学校での日本語指導体制の強化に取り組んでいるが、外国人児童生徒の指導を担える教員が限られ、指導法の継承や支援体制の持続可能性に不安があるという。

同教育長は「『トビタテ!教師プロジェクト』では、外国人児童生徒への対応を目的とした優先配置も戦略の中に含まれている。外国人児童生徒の指導を魅力的なものにするために、在外教育施設に派遣している教員に期待している。派遣中にさまざまな人や教育と出会い、日本語指導プログラムの開発に関わってもらい、帰国後は浜松市で学校のグローバル化の推進役になってほしい。彼らによって外国人児童生徒の多様性を生かす風土を学校に根付かせることができれば、これからの浜松市の強みになる」と強調した。

同フォーラムには教育関係者ら約400人が参加した。プロジェクトに関する取り組み発表の他に、パネルディスカッションなども行われた。