子供の貧困対策で提言 学習意欲を重視した支援を追記

内閣府の「子供の貧困対策に関する有識者会議」(座長=宮本みち子放送大学名誉教授)は8月7日、安倍晋三首相が議長を務める「子どもの貧困対策会議」に提言書を提出した。7月29日の有識者会議の会合で示された最終案に、子供の貧困問題は地域や社会全体で解決する意識が必要だとする施策の方向性を明記し、学力の保障だけでなく学習意欲を重視して支援することを追加した。政府は提言を受け、本年度中をめどに「子供の貧困対策に関する大綱」を改訂する。

有識者会議の提言では①親の妊娠・出産期から子供の社会的自立までの切れ目ない支援②地方自治体による取り組みの充実③支援が届いていない、または届きにくい子供や家庭への支援――の三つの視点から、子供の貧困対策を一層充実するよう求めた。

7月29日の有識者会議の会合で出た意見を踏まえ、施策の方向性として、子供の貧困問題の解決にあたっては「子育てや貧困を家庭のみの責任とするのではなく、地域や社会全体で課題を解決するという意識を強く持」つことが重要だと強調。行政や学校、保健福祉などの機関が率先して、社会の理解を促していく必要性を新たに明記した。

また、貧困状態にある子供は学習意欲がそがれやすい環境にあることから、学力向上だけでなく、安心して過ごせる居場所づくりや相談体制を充実し、学習や将来への意欲を高める支援の方向性についても追記した。

さらに、新たに学校や地方自治体に対して、制服や学用品などの学校生活に必要な経費の保護者負担が過重にならないようにする配慮や、21年度から始まる大学入学共通テストで採用される英語の民間資格・検定試験の受検料負担などによって、困窮家庭が進学に不利にならないよう求めた。