ゲームで探究型STEAM教育 日野田直彦校長が抱負

経産省の「未来の教室」実証事業のモデル校である武蔵野大学中学校で、新たにゲームをテーマにした探究型STEAM教育などの実証実験に取り組むことになり、8月7日、キックオフ集会が開催された。同校の日野田直彦校長や経産省の浅野大介教育産業室長らが意気込みを語るとともに、実証事業に取り組むEdTech企業3社が、狙いや手法をプレゼンテーションした。

新たな実証事業のスタートを迎え、抱負を語る日野田直彦校長

浅野室長は冒頭、「学校現場というものは、教育をイノベーションするためのラボだ。学校教育には『失敗してはだめ』といった固定概念があるように思う。だが、このラボの中ではいろんな試行錯誤を行い、成功も失敗もさらけ出して、知恵をよりたくさん集め、新しいことを生み出していきたい」とあいさつ。

さらに「この学校を大きく作り変えていくプロセスで、何がどのように変化していくかというストーリーは、全国に発信されることで希望になっていくだろう。教師や生徒、保護者の中で起きている小さな変化を共有することが大切になる。どんなさまつな事柄でも、そのなかに政策のあり方や次への政策の種になるヒントがあるはずだ」と呼び掛けた。

日野田校長は「今の若者は成功主義に走っていて失敗できなかったり、怖がっていたりする。企画を立案し、実践や失敗からどんどん学べる人材、つまりサイエンスできる人材が必要だ。当校ではどんどんチャレンジして、失敗も含めて全員で学び続けようと呼び掛けている」と教育改革の重要性を強調。「勇気のある選択を取ることができ、失敗を自分ごととしてとらえて楽しみながら、自身の人生の価値や意味、目的に気付いてくれる子供たちを増やしたい」と抱負を述べた。

実証事業に取り組む企業の一つで、プログラミングスクールを運営するLife is Tech ! (ライフイズテック)、ゲームをテーマにした探究型STEAM教育の取り組みについて説明した。

まず生徒はゲームをプレーし、「なぜ楽しかったのか」「どこがおもしろかったか」といった要因を分析。講義や調査、議論を通してゲームの背景にある理論や知識、思考フレームを学ぶ。その上で実際にゲームを作り、そこで得たことを身の回りの課題解決など他の領域に応用する力を育む、という試みだという。

日野田校長は「ゲームで学ぶといった、日本の学校では考えにくい点がおもしろい。ゲームを作る側の視点に触れ、物事のコントロール方法や意思決定、主導する力を学んでほしい」と話した。

このほか、AIやビッグテータを用いたプロジェクト型学習を実施するInstitution for a Global Society(IGS)、AI教材を用いて数学の教科指導の最適化を目指すZ会も出席した。