日本の地理教育は「ガラパゴス化」 国際地理五輪代表

香港で開催された第16回国際地理オリンピックに出場した日本代表の高校生らが8月6日、文科省を訪れ、永岡桂子副大臣に結果を報告した。日本は前回大会でメダルを獲得できなかった屈辱を晴らし、銅メダル1個を獲得。国別順位も31位から27位に上がった。一方で世界と戦った高校生らは、記者団に対し、日本の地理教育が「ガラパゴス化」していると指摘し、フィールドワークを重視した世界標準の教育が必要だと訴えた。

世界標準の地理教育の必要性を訴えた日本代表チーム

日本代表には、中尾俊介さん(洛星高校3年生)、飯田菜未さん(茨城県立土浦第一高校3年生)、植山隆斗さん(早稲田高校3年生)、髙野広海(ひろうみ)さん(渋谷教育学園幕張高校3年生)が参加。2年連続で出場した中尾さんが銅メダルを獲得した。

国際地理オリンピックは、現地でフィールドワークをしながら、地図を作ったり、その地域の問題の解決策を提案したりする。また、問題が英語で出題されるなど、日本にとってハンディキャップが多い。今回は7月30日から8月5日まで香港で開催され、44カ国・地域の166人の高校生が参加。日本代表は、台湾での事前合宿を行うなど、入念に準備して大会に臨んだ。

永岡副大臣は「さまざまな国の地理好きと交流したり競争したりできたことは、自信につながったと思う」と励ました。

表敬訪問後、中尾さんは記者団に対し、「日本の地理教育は『地域の物知り学』のようにガラパゴス化している」と指摘。さらに植山さんは「地理は覚えるのではなく考える教科のはずだ。地域の改善策を提言するような活動をもっと日本の学校でも重視すべきだ」と訴えた。

日本代表を引率した大谷誠一神奈川県平塚市立金目中学校教諭は「日本代表に選ばれる生徒であれば、英語はある程度できる。問題はフィールドワークの経験が圧倒的に足りないことだ。日本の子供は地図が読めても書くことができない。小学校では地域を実際に歩いて学ぶ活動があるが、中学校や高校ではほとんど行われていない。これでは世界標準に追いつかない。小学校から高校までをつないだスパイラルな実践が求められている」と総括した。