LGBTや性行動をテーマに発表 全国性教育研究大会

「夢を育む性教育」を基本テーマに全国性教育研究大会(主催・全国性教育研究団体連絡協議会など)が8月8、9日の2日間、千葉市で開催され、教員ら約300人が参加する中、実践発表のほか、「LGBT」「青少年の性行動」などをテーマにした講座が実施された。

千葉市で開催された全国性教育研究大会

2日目には小・中・高校8校が実践発表。千葉県横芝光町立東陽小学校の戸田裕希子養護教諭は「思春期教育の系統化」をテーマに取り上げた。

東陽小学校が位置する「横芝光・芝山」地域には小学校8校があり、所属する養護教諭は共通して「性教育をうまく推進できない」と悩んでいたと説明。背景に「学級担任だけで進めていることが多く、どの程度指導しているか分からない」「養護教諭が多忙で指導計画を十分に立てられない」などの理由があったため、同地域の養護教諭が定期的に集まって系統的な年間指導計画を立てる取り組みを実施。▽低学年では「からだをきれいに」▽中学年では「男女なかよく」「体のしくみ」▽高学年では「生命誕生」「エイズを知ろう」――などを題材として指導案や教材を作成したと述べた。

宝塚大学看護学部の日高庸晴教授は「学校で配慮と支援が必要なLGBTの子供たち」と題する講座を担当した。「子供たちは先生をよく見ている。大きな期待がある」と強調。「図書室などにLGBTに関する本を置いたりポスターを掲示したり、ホームルームでLGBTの人権課題を取り上げたりするといった小さな取り組みや、先生のさりげない一言が、子供たちの人生を変える」と語った。

活水女子大学健康生活学部の石川由香里教授は「青少年の性行動全国調査」に基づいた研究を発表。「性教育では避妊や感染症予防など、性行動に積極的な『活発層』が注目されがちだが、消極的な『非活発層』にもリスクはある」と述べ、「デートをした経験や、告白をしたりされたりした経験を持つ層と比べ、持たない層は自己肯定感や家族形成への願望が低い傾向にある」と説明。

「少子化や引きこもりなどの問題の促進も懸念される」とした上で、「学校で嘲笑されるなどばかにされたり、いじめられたりしたという経験を持つ事例や、大人との関わりでトラウマ(心的外傷)がある事例も少なくない。そうした問題を早期発見して修復したり、ロールプレーを活用してコミュニケーション力を高めたりしながら、性行動の良い面を伝えていくなどの支援が必要なのではないか」と訴えた。

主催団体の一つであるちば思春期研究会の高波眞佐治理事長によると、同研究会は2003年、思春期保健相談士の認定者らが学校や医療関係者との連携を要望したことを背景に創設され、現在は学校教員が千葉県の性教育をけん引しているという。今回の大会も同研究会所属の教員が事務局を務めた。