担任の役割の頭文字は「CARD」 教諭ら実践発表

日本授業UD学会が8月15日に筑波大学附属小学校(東京都文京区)で開催した「学級経営全国大会」では、現場教員による実践発表もあった。「全ての子供が生き生きと学ぶ学級経営に向け、教師がやるべきこととは」をテーマに、ユニバーサルデザイン(UD)化された学級経営の理論と方法について、報告と意見交換がなされた。

「インクルーシブな学級づくり」と題して行われた実践発表

「インクルーシブな学級づくり」と題して実践発表した神奈川県小田原市立足柄小学校の上條大志統括教諭は、担任として学級経営に求められる役割を四つに分類。▽co-ordinate(集団を調整する)▽assess(子供と集団を把握・理解する)▽relate(子供同士を結び付ける)▽decide(集団の願いに基づき方針を定める)――だと示し、「頭文字を取って『CARD』と呼んでいる」と語った。

「この四つに順序はない。トランプで状況に合わせてカードを出すように、集団の状態に応じて戦略を立て、必要な役割を果たすことが肝要だ」と説明。

特に「relate」について、「子供同士のつながりは見えない。見える化に努める必要がある」と強調。具体的な手段として、▽誰かにしてもらってうれしかったことを用紙に書き、「ありがとうの木」に貼る▽毎朝「ありがとうくじ」を引き、決まった相手に感謝されることをする▽他の子供の良いところを短歌にして「読み札」「取り札」を作り、「友達百人一首」をする――などを挙げた。

横浜市立川井小学校の松下崇教諭は、友達と問題解決できる子供の育成をテーマに発表。上越教育大学の赤坂真二教授が示す「赤坂版クラス会議」を実践していると述べ、▽輪になって行う▽「相手の意見を最後まで聞く」「意見の良いところをみる」などのルールを確認してから始める▽前回の解決策を振り返った上で、議題を提案する▽話し合いをし、決定事項を発表する――という流れで、日常の問題解決に取り組ませていると説明。

「年間で20回ほど実施している」といい、「まとめる力や聞く力が養われただけではなく、反対意見から新たなアイデアを生み出す力や、自己決定力の育成につながった」と述べた。