教育の情報化の手引きで素案 各教科のICT活用例示す

約10年ぶりの改訂作業を進めている文科省の「教育の情報化に関する手引」の作成検討会は8月19日、第3回会合を開き、事務局が提示した手引きの素案について協議した。素案では、特別支援教育における情報教育の記述を充実。新たに情報活用能力の育成事例や、ICTを活用した各教科での具体的な指導場面について盛り込む方針を示した。

「教育の情報化に関する手引」の素案を議論した第3回会合

素案段階での手引きは①社会的背景と学習指導要領における教育の情報化②情報活用能力の育成③プログラミング教育の推進④教科等の指導におけるICTの活用⑤教師に求められるICT活用指導力等の向上⑥校務の情報化の推進⑦学校におけるICT環境整備⑧学校及びその設置者等における教育の情報化に関する推進体制――の全8章で構成。

新学習指導要領をはじめ、教育の情報化に関する国の方針や各種調査報告書などで示された最新の動向を網羅し、ポイントをイラストや図表で解説しながら、各学校での情報教育や教育委員会が進めるICT環境整備のガイドブックとしての活用を想定している。

特に改訂にあたっては、各章で特別支援学校における情報教育の記述を手厚くし、児童生徒の障害に応じた実践事例の紹介や特別支援学校におけるプログラミング教育の重要性などを強調。

また、第2章に探究学習などで情報活用能力の育成を図る実践事例を具体的に記述するほか、第4章では、各教科の指導でICTを効果的に活用した場面の具体例を掲載する方針も示した。

各教科の指導におけるICTの活用場面では、例えば、小学校社会科で地域学習をする際に、タブレット端末を使用して地域の人にインタビューし、その動画を基に地域の人が話した内容を確認する活動や、算数でコンピューターを使って表やグラフを作成したり、目的に応じて適切なグラフを選んだりする学習などが盛り込まれる見通し。

出席した委員からは「第2章の情報モラル教育に関して、使い過ぎの懸念など、影の部分を強調し過ぎている。協調学習の効果など、光の部分をもっと打ち出すべきではないか」「第3章のプログラミング教育に関して、小学校の記述量が多く、全体のバランスを欠いている。中学校の技術・家庭科や高校の情報科について、もう少し具体的な内容を入れてほしい」「第4章の各教科でのICT活用場面は、今後を見据えて教師による指導だけでなく、ポートフォリオの活用など、児童生徒が学習成果を振り返るケースも入れるべきだ」などの意見が出た。

文科省ではこれらの意見を踏まえ、9月に開かれる検討会の次回会合で最終案を取りまとめた上で、イラストなどの制作に着手。同月下旬をめどに、手引きの改訂版を公表する方針。

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