同性パートナーにも福利厚生の適用を 教員らが措置要求

婚姻関係にある教職員に適用される福利厚生制度などが適用されないのは不当な差別だとして、性的少数者(LGBT)の都立学校教員ら2人が8月19日、都人事委員会に改善を訴え措置要求を行った。2人は同性愛者の50代の都立学校教員と、自身を特定の性で認識していない40代の都職員で、いずれも同性のパートナーと生計を同一にしている。

「措置要求」とは、公務員が勤務条件などで不当な扱いを受けた際に、適正な措置を取るよう人事委員会などに求められる制度。

2人は、配偶者などの介護に当てられる介護休暇や、結婚、親族が亡くなった際の慶弔休暇といった休暇制度のほか、互助組合が支給する結婚祝い金、家族向け職員住宅での同居などの福利厚生は、法律上の婚姻関係や、異性との事実婚関係にある教職員のみを対象としていると批判。

都の人権尊重条例違反に当たると訴え、規定や規則を改正するように求めた。

同条例は東京オリンピック・パラリンピック開催を見据え、都が2018年10月に制定。いかなる差別も禁じるとする五輪憲章の理念実現を目指し、LGBTなどへの差別禁止規定を盛り込んだ。第4条で「都、都民及び事業者は、性自認及び性的指向を理由とする不当な差別的取り扱いをしてはならない」と定め、都道府県で初めてLGBTなど性的少数者への差別を禁止した。

措置要求をした教員は、東京都世田谷区が設けた同性カップルのための「パートナーシップ宣誓」はしたものの、職場や家族へのカミングアウトはしていないといい、「生徒には自分のことを大切にして生きてほしいと思っている。首都である東京都が教職員に対して平等な処遇をすることは、他の自治体に計り知れないほど大きな影響を与える」としている。

2人の代理人を務める上杉崇子弁護士は、性的マイノリティー当事者の職員が差別の是正を求めて措置要求をしたのは今回が初めてだとして、「民間に比べて自治体は動きが鈍い。まず組織内部から平等を実現してこそ、条例にふさわしい都市になるのではないか」と指摘する。

都人事部の担当者は教育新聞の取材に、「休暇や福利厚生の制度は規定上、法律婚と事実婚が対象になっており、同性カップルや同性婚を公的・客観的に確認することは難しい。他の自治体や国の動向も踏まえて検討する必要がある」と述べた。