気候変動を光で捉えよう JAXAが小学生向けイベント

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8月21日、小学3~6年生を対象に、分光器を自作して、人工衛星で使われている地球観測センサーの役割を知るワークショップイベントを開いた。児童らは人工衛星が捉えた気候変動の様子を見たり、自作した分光器でさまざまな光の特徴を観察したりしながら、光の特徴を応用した技術の一端に触れた。

異常気象の様子を捉えた写真を解説するJAXAの山田研究開発員

JAXAでは、赤外線を含む19種類の光の波長を測定できる気候変動観測衛星「しきさい」を2017年に打ち上げ、世界各地の異常気象の様子などを捉えている。

ワークショップでは、まず、しきさいのプロジェクトチームメンバーである山田淑乃(よしの)研究開発員が「地球も人間と同じように健康診断が必要だ」と、光の特徴を利用したしきさいの仕組みを、小学生にも分かりやすいように説明。実際にしきさいが撮影した熱波や森林火災などの様子を紹介し、気候変動がもたらす環境問題やそれらを観測し続ける重要性を解説した。

その後、児童らはJAXAが用意した簡易分光器のキットを組み立て、蛍光灯やモニターに映し出された異なる色の光が、分光器を通して見たときに、どのように変化するかを観察。結果をワークシートに記録していった。

完成した分光器で観察する児童ら

参加した児童の一人は「しきさいが写した写真がとても面白く、学校では教わらないようなことも知ることができた。家に帰ったら、作った分光器で青いライトやもっと強い光の様子を観察してみたい」と話し、光への興味を高めていた。

山田研究開発員は「『虹はどうして7色に見えるのか』など、身近な光について物理的に考えるきっかけになればうれしい。身近にある小さな疑問や不思議の答えを知る楽しさを、子供たちに経験させることが大切だ。参加した子供たちが虹を見たときに『分光しているんだ』と思い出してくれたらうれしい」と話した。

同ワークショップは東京都千代田区にある同機構東京事務所を会場にした、初めての一般向けイベントとして開催された。ワークショップは3回実施され、計約80人の子供が参加した。