【佐藤昌宏教授】EdTechの可能性 都総合教育会議で講演

東京都は8月22日、小池百合子知事と教育委員会による総合教育会議の本年度初会合を開き、「Society5.0時代の学校教育」をテーマに、ICTの環境整備やEdTechによる教育改革を議論した。経産省の「『未来の教室』とEdTech研究会」で座長代理を務める佐藤昌宏デジタルハリウッド大学大学院教授が、EdTechがもたらす学びの個別最適化について講演した。

EdTechによる個別最適化された学びについて解説する佐藤教授

佐藤教授は海外のEdTechの最新事例や国の政策動向などを交えながら説明。「学習履歴(スタディログ)の可視化によって、教育は検証可能で再現性のあるものとなり、質の保証につながる。子供一人一人の個性や学習到達度、興味関心に応じた最適な学習を提供できるようになる」と述べた。

さらに「個別最適化が進むと、一発勝負の入試ではなく、一定レベルの学力に到達すれば年齢に関係なく大学に進学できるなど、教育を巡る既成概念が変わる」と展望を述べ、「テクノロジーはツールではなくインフラと考えるべきだ。技術の進化はもう止められない。EdTechによって質の担保された教育をどう実現していくか、教育現場と一緒に考えていきたい」と呼び掛けた。

また、この日の会議では都内の公立学校の校長らも出席し、ICTを活用した授業の実施状況や校務支援システムの活用事例を報告。複数の校長から学習者用コンピューターの「1人1台」の早期実現を求める声が上がった。

学校のICT環境整備の必要性を述べる小池都知事

出席した教育委員からは「教育はすぐに効果が出るとは限らないが、だからこそ今、ICTに投資をしていく必要がある」「学校が地域の拠点であることを踏まえれば、教育委員会だけでなく他部局も交えて、社会的なインフラとして学校のネットワーク環境を整備すべきではないか」と、ICT環境の整備を促す意見が相次いだ。

議論を踏まえ小池都知事は「2040年ごろの教育は、今とは大きく考え方が変わると感じた。教師の教え方や役割も変わってくるだろう。そうした視野を持って、教職を魅力ある職業にして人材を確保しなければならない。Society5.0にふさわしい教育環境を整備していく必要がある」と述べた。

【おわびと訂正】本文3段落目の発言は、正しくは「テクノロジーはツールではなくインフラと考えるべきだ」でした。