【独自】小学校教科担任制導入へ教員加配を支援 文科省概算要求

文科省は、小学校高学年での教科担任制の導入を促進するため、新たな教員定数の加配措置について、8月末に提出する2020年度予算の概算要求に盛り込む方針を固めた。教科担任制を先取りして導入している自治体に対して、教員の加配に必要な人件費を国費で支援する。教育新聞の取材で8月25日までに分かった。加配措置への国費による支援が行われるようになれば、新たに教科担任制の導入を検討する自治体も増えることが予想され、小学校高学年の教科指導の在り方が大きく変わる可能性がある。

小学校高学年での教科担任制を巡っては、今年4月に柴山昌彦文科相が中教審に諮問。中教審は初等中等教育分科会に「新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会」を設置して、効果的な導入の在り方を議論している。

文科省が特別部会で示した、小学校における教科担任制の実施状況によると、2018年度に小学校の理科で教科担任制を導入している自治体は5年生で45.1%、6年生で47.8%に上っており、教科担任制がすでに一部で浸透してきている実態が明らかになっている。

例えば、小学校高学年での教科担任制を推進している横浜市では、研究推進校に原則として学級担任を持たない「チーム・マネージャー」を配置。高学年の教員が複数の教科を受け持つ「教科分担制」を採用している。

また、大分県では、国語、算数、理科、社会の4教科について、学級担任同士で授業を交換し、それぞれの教員が専門性を生かして指導する「交換授業方式」による教科担任制の実証を進めている。

こうした自治体では、独自負担で教科担任制の実施に必要な教員を加配しているケースもみられ、自治体間での温度差が広がる恐れもある。このため文科省では、国に先駆けて教科担任制を実施している自治体を対象に、教員の加配に必要な人件費を支援し、教科担任制導入に向けた動きを促進するべきだと判断した。

また概算要求では、学校のICT環境整備を加速させるため、新規事業として遠隔教育の実施や高速通信インフラの接続を想定した、通信環境の実証研究も盛り込む。

6月に文科省が示した「新時代の学びを支える先端技術活用推進方策」を踏まえ、遠隔教育の実施や、大学や研究機関を結ぶ高速通信インフラ「SINET」の初等中等教育への開放を見据えた実証研究に着手するなど、インフラ整備に十分な予算を確保したい考え。