私立高に労基署が是正勧告 通報した教員らが会見

千葉県木更津労働基準監督署が、私立文理開成高校(千葉県鴨川市)に残業代の不払いなどについて是正勧告し、同署に通報した教員3人が8月26日、厚労省で会見を開いた。

記者会見する私立文理開成高校の教員ら

通報したのは常勤講師2人と非常勤講師1人で、いずれも20代。常勤講師2人はすでに退職している。

同署が是正勧告したのは、▽学校が「教員の自発的行為」とした部活動指導など、明らかに1日8時間・週40時間を超えた労働に対し、残業代が不払い▽非常勤講師に対し、雇用契約書の書面が交付されておらず、労働条件が明示されていない――の2点。

常勤講師らによれば、同校の教職員は出勤簿に押印するのみで、労働時間の管理はなされていないという。常勤講師の1人は「残業時間は最大で月に177時間以上、残業代未払いの額は年間で約250万円に上る」としている。

残業の内容については、部活動指導のほかに「寮の管理」があるといい、「7時に朝の点呼をしてから夜10時に寮の消灯をするまでが勤務時間で、夜間に寮内外の巡回をすることもある。休日でも寮に生徒が1人でもいれば勤務せねばならず、気の休まる日がない」と訴える。

また、「毎年多くの教員が退職したり、体調不良を訴えて休んだりしており、残った教員が寝る時間を削っての過剰労働を強いられている。深夜におよぶ勤務の中、明日が来ることに絶望と恐怖を感じていた」と振り返った。

同校ではほかに、副校長が今年3月、保護者に対し「(自分には)暴力団に仲間がいる」と脅したとして、千葉地裁から罰金20万円の有罪判決を言い渡されていた。起訴状によれば、生徒は17年9月、同級生への暴力を理由に退学となったが、行為を否定しており、電話で復学を求めた生徒の父親に対し副校長が「仲間を出すぞ」などと脅したという。

副校長については同校が会見で「非常に残念」と謝罪し、副校長職を解いたと発表していたが、常勤講師らは「学校が開いた保護者説明会では、保護者が学校への不信感をあらわにしていた」と語る。

現在も在職している非常勤講師は「生徒が一番の被害者だ」と強調。「副校長に関する報道や教員の退職に生徒は傷つけられている。学校が誠実な対応をし、教員と生徒が幸せになれる体制に生まれ変わることを切に願う」と述べた。

同校は教育新聞の取材に、「労働法令順守に向けて、労働組合と真摯(しんし)に話し合っていく」としている。