ふるさと納税で学校に楽器寄付 全国の自治体に普及図る

個人が使わなくなった楽器を、ふるさと納税として学校に寄付する「楽器寄附ふるさと納税」制度を全国的に普及させようと、同制度の実行委員会は8月27日、都内で自治体向け説明会を開催した。同制度は昨年、三重県いなべ市で初めて導入され、現在は全国4市町が参加している。同実行委では、これまでのノウハウを基に規模拡大を図りたい考えで、説明会には、同制度に関心を寄せる15自治体が出席した。日沖靖いなべ市長は「寄付楽器による感謝のメロディーを全国で奏でたい」と参加を呼び掛けた。

「楽器寄附ふるさと納税実行委員会」のメンバーと、制度に参加した自治体の首長ら

同制度は家庭で使われなくなった楽器を自治体に寄付し、楽器不足で悩む学校で活用してもらう制度。寄付を希望する場合は専用サイトから自治体が出す希望リストの対象となっている楽器について、寄付者が査定を申し込む。査定結果を寄付者が承認すれば、楽器が自治体に納品される仕組み。寄付者は、楽器の査定額がふるさと納税として税制控除を受けられる。

いなべ市では、制度を始めた昨年10月から今年7月までに234件の寄付の申し込みがあり、そのうち106件が確定。吹奏楽部の演奏などで使用するフルートやトランペットなどの楽器が学校に寄付された。いなべ市では、寄付を受けた学校の生徒が寄付者に宛てて自筆の感謝状を贈ったり、演奏会に招待したりしている。

日沖市長は「楽器ほど、寄付した側も寄付された側も喜ぶものはない。生徒は、寄付された楽器を大切に使いながら良い演奏をしようと意識するなど、教育的効果も高い」と強調。

「多くの自治体が同制度に参加し、全国規模で展開できるようになれば、楽器以外の備品も寄付を受け付けられるようになり、制度として持続可能なものとなる」との展望も示した。