大学入試英語民間試験でポータルサイト開設 未決定296校

大学入学共通テストの英語の民間検定試験活用を巡り、文科省は8月27日、受験生や高校教員らが民間試験活用の目的や内容を理解しやすいよう、関連情報を一元的に整理した「大学入試英語ポータルサイト」を公開した。

大学入試に対する英語民間試験の利用予定(8月1日時点、文科省調べ)

民間検定試験を行う6団体22試験の概要や実施日程、大学ごとの活用予定などが一覧できる。ただ、同日公開された8月1日時点の情報では、民間検定試験の成績を大学入試センター経由で活用するかどうかまだ決めていない大学・短大が296校に上っている。ポータルサイトが開設されても、受験生や教員の不安解消にはしばらく時間がかかりそうだ。

大学入学共通テストの英語民間試験活用については、今年7月、全国高等学校長協会(全高長)が、試験の詳細が未公表のため、生徒への指導や来年度の年間行事計画作成に支障が出ているとして、文科省に早期の対応を求める要望書を提出。教育新聞の読者投票でも大学入学共通テストへの移行に「不安を感じている」との答えが92%を占めるなど、受験生や教員の不安解消を求める声が広がっている。

大学入試英語ポータルサイトの開設は、現時点での関連情報をまとめて提供することで、こうした不安への対応を図るもの。

ポータルサイトでは、大学入試で英語4技能を評価するため民間検定試験を活用する理由について、(1)約50万人規模で一斉実施する共通テストとして「話す」「書く」能力を含めた英語試験の実現が極めて困難である(2)民間検定試験が英語4技能を評価するものとして社会的に認知され、高校教育や大学入試での活用が進んでいる――ことを挙げた。

次に、民間検定試験の成績を大学入試センターが集約して大学側に提供する「大学入試英語成績提供システム」について、個人を特定する共通IDの導入と利用方法を説明している。

全高長から要望のあった民間検定試験の概要や実施日程については、大学入試英語成績提供システムの対象となる見込みの6団体が行う22試験について、概要や実施日程を一覧で表示し、試験実施会場などの最新情報については、各試験実施主体のウェブサイトにリンクすることで情報提供を図る。

また、障害のある受験生への配慮についても、各試験実施主体の対応を明示する。

ポータルサイトでは、大学や短大による大学入試英語成績提供システムの利用予定も一覧できる。実際にどの大学や短大が民間検定試験の成績を入学試験に活用するのかは、受験生と教員の大きな関心事。

しかしながら、文科省によると、同日公開された8月1日時点の情報では、全国の大学・短大1070校のうち、文科省の調査に回答した大学は1022校で、48校が未提出のまま。回答した1022校のうち、726校が同システムから成績提供を受けるとしたが、296校が成績提供を受けるかどうかまだ決めていないと答えている。

しかも、成績提供を受けると回答した726校では、推薦入試や一般入試などの選抜区分、学部学科によっては一部が未定となっている。

このため、相当数の大学や学部学科が、本当に大学入試に民間検定試験の成績を活用するのかどうかわからないままとなっている。

柴山昌彦文科相は同日の閣議後会見で、未決定の大学には9月末までに決定するよう通知すると表明。ポータルサイト開設の狙いについて、「間もなく新学期が始まる。受験生や高校の先生方に不安が生じることがないようにしたい。ポータルサイトの情報は随時更新していきたい」と説明した。

ポータルサイトは文科省HPのトップページに置かれたバナーから閲覧できる。

関連

【読者投票】大学入学共通テストへの移行 不安?