文科省が文教予算に4.4兆円要求 ICT整備や教科担任制

文科省は8月29日、2020年度予算案の概算要求を発表した。文部科学関係予算全体の要望額は5兆9689億円に上り、前年度予算額の5兆3203億円と比べ、約6485億円増となった。このうち、文教関係予算は4兆4450億円(前年度予算額比4036億円増)を占める。個別最適化された学びを実現するための大容量高速通信ネットワーク整備や、小学校高学年における教科担任制を推進するための教職員加配などで、新たな取り組みを進める。

文科省20年度予算案の概算要求の内訳

新学習指導要領の実施や、学校の働き方改革のための指導・運営体制の構築に1兆5197億円(同3億円減)を要求。4235人の教職員定数改善を図る。

内訳は▽小学校の英語専科指導 1000人▽小学校高学年での教科担任制に先行的に取り組む学校への支援 2090人▽中学校における生徒指導や支援体制の強化 670人▽発達障害のある児童生徒への通級指導の充実 426人▽外国人児童生徒に対する日本語指導教育の充実 79人▽いじめ・不登校などの未然防止・早期対応の強化 670人――など。

また、スクール・サポート・スタッフを1800人、中学校の部活動指導員を3000人増やすなどし、多様な人材が学校の教育活動に参画する取り組みを支援する。部活動支援員については、地域だけでなく広範囲からの人材確保が可能となるよう、新たに交通費も支援する。

学校のICT環境整備では「新時代の学びにおける先端技術導入実証研究事業」で19億4900万円(同16億9200万円増)を計上。遠隔教育システムの導入や先端技術の活用、大学と研究機関を結ぶ大容量高速通信ネットワーク「SINET」への初等中等教育機関の接続に向けた実証研究などに取り組む。

並行して、新規事業として3年計画の「GIGAスクールネットワーク構想」を立ち上げ、374億7300万円を要求した。教師の「経験知」と科学的視点を掛け合わせ、虐待や貧困の早期発見、外国人児童生徒を含む全ての子供の基礎学力定着など、誰一人取り残さない教育を実現するとともに、特異な能力を持つ子供に大学や研究機関で学ぶ機会を提供する目的で、先端技術や教育ビッグデータの活用による新しい社会的価値の創造を目指す。

同省では、20年度機構・定員要求の組織改正要求事項として、世界最先端のICT環境の整備や、先端技術・教育ビッグデータの効果的な活用のための体制整備を進めるべく、初等中等教育局に「学びの先端技術活用推進室」を新設することも盛り込んだ。

この他、スポーツ関係予算に412億円(同72億円増)、文化芸術関係予算に1275億円(同208億円増)、科学技術予算に1兆1921億円(同2169億円増)を計上した。