教科担任制「本格的導入を検討すべき」 中教審論点整理案

9月4日行われた中教審初等中等教育分科会の特別部会では、小学校高学年における教科担任制の導入について、論点整理案が公表された。教科担任制の本格的導入を検討する方向性が濃厚に打ち出され、そのために検討すべき論点として、教員定数、教員養成や研修を含めた教員免許の在り方、小学校と中学校の連携などが挙げられた。

教科担任制の導入を議論した中教審特別部会

論点整理案では、小学校と中学校の在り方を別々に議論するのではなく、義務教育9年間を見通したかたちで指導体制の整備を図る考え方が、はっきりと打ち出された。

そのうえで、小学校高学年の発達段階や、来年春から小学校の教科に英語が導入されるなど教育内容の専門性向上を踏まえ、「各学校の実情を踏まえつつ、小学校高学年からの教科担任制の本格的導入を検討すべきではないか」と指摘した。

検討すべき項目としては、▽教員定数、教員養成・免許・採用・研修など、義務標準法や教育職員免許法等の在り方▽小学校の教師間の分担の工夫に加え、中学校における教師の在り方や小学校と中学校の行き来の在り方など、小学校間の連携や小中学校の連携▽基礎的読解力などの基盤的な学力の確実な定着など、教育の効果を高める方策――などが挙げられた。

委員による意見交換では、「教科担任制を導入できるかどうかは、小学校の規模によって違うのではないか。規模が小さくなると教員も少なくなるので、学級担任になるのかもしれない。規模の小さい学校に目を向けていく必要がある」「小学校の教員はほとんどが文系で、数学をわかっている教員は少ない。きちんとした資質能力を持った教員がやらないと教科担任制は機能しないと考えると、現実には相当難しい問題がある」とさらなる検討を求める意見が出た。

一方、「実際に教科担任制を導入してみると、児童はいろいろな先生に教わることができるなどメリットが多い。一方、学校の状況は規模も先生の指導力もまちまちで、小中連携を含めて選択肢はいろいろある。一律的な対応よりは、教委の判断によって、柔軟に教科担任制を採用できるようにすることが重要だ」との意見もあった。

また、教員免許については「現行の教員免許は、幼小の関連性が高い。また、中高はそれぞれ専門性があるので、これも関連性が高い。義務教育9年間を見通した免許にするのは、相当大きな改革だ。さらに、Society5.0の社会を見越すと、そもそも幼小中高といった学校種そのものがなくなっていく可能性もある。将来的には教科横断的な免許や、PBLの免許が必要になるかもしれない。そこまで考えて方向性を示していくかどうか、検討しなければならない」と抜本的な改革が避けられないとの見方も出た。

論点整理案はこの日の議論を受けて修正され、10月4日に開催される中教審初等中等教育分科会で報告される。