学校で働き方改革をどう進めるか 日教組が初の討論会

学校現場で働き方改革をどう進めていくか――。日本教職員組合(日教組)は9月5日、学校の働き方改革をテーマとした討論集会を都内で開いた。本紙特任解説委員で教育研究家の妹尾昌俊氏が講演したほか、各地の教職員組合から学校の働き方改革に向けた取り組みが報告され、学校現場で働き方改革を進める上での課題を議論した。

学校現場でできる働き方改革のポイントを説明する妹尾氏

日教組が学校の働き方改革をテーマにした全国集会を開いたのは初めて。討論会には全国から約200人の組合員が参加した。

講演で妹尾氏は「仕事にやりがいを感じ、長時間労働をいとわず、働き方改革の必要性を感じていないような同僚教員の理解を、どのように得ればいいか」と参加者に投げ掛けた。

同氏は、そのような同僚に対して▽過労死や精神疾患の実例を紹介する▽教員が自己研さんやクリエーティブな思考の時間を持たないと、子供の思考力や創造性は高められない▽ブラックと認識された職場のままでは、優秀な人材は来ない――の3点を説明し、働き方改革に理解を得る必要があるとアドバイス。

「管理職の働き掛けはもちろん必要だが、同僚としてもできることがある。なぜ働き方改革が必要なのか、みんなで一緒に考えないと前に進まない」と指摘した。

討論会では、各地の教職員組合が、学校の働き方改革の取り組みや課題を報告。

働き方改革に向けた取り組みについて意見交換した討論会

岩手県教職員組合の小学校教員は、教職員の労働安全衛生の体制整備を担う学校衛生委員会を核に、学校の働き方改革を推進した実践を発表。学校衛生委員会で各教員の時間外勤務時間を一覧にし、教員にフィードバックしたり、学校衛生委員会の取り組みを伝える「学校衛生委員会通信」を配布したりすることで、働き方改革への意識を高め、教員が学校の業務改善について意見を出しやすい環境を構築。家庭訪問の廃止や学校行事の精選、交換授業の実施などの業務改善を実施していった。

発表した教員は「学校で当たり前だと思っていることを変えていかないと、働き方改革はできない。教職員みんなで当たり前を問い直すことが重要だ」と話した。

茨城県教職員組合の小学校教員は、教育委員会と学校が一体となった働き方改革について報告。教育課程を見直し、午前中に5時間とすることで午後に余裕を持たせたのをはじめ、中学校の部活動の朝練習廃止や、現金を扱う業務を学校事務職員に一元化したことなど、取り組みを紹介した。

報告した教員は「なぜ午前5時間に踏み切ったのかなど、これらの改革の意義を教職員全員が十分納得して、全体で共有できていないのが課題だ」と指摘した。

日教組の清水秀行書記長は「地域によって教育委員会との関係などの違いはあるが、さまざまな形で働き方改革の取り組みを提案するなど、各地でアクションを起こしてほしい。学校現場が動いていくことが必要だ」と総括した。