学校のICT環境整備は「危機的状況」 萩生田文科相

萩生田光一文科相は9月13日の閣議後会見で、学校現場のICT環境整備について、「率直に申し上げて、危機的状況にある。一日も早く整備をしたい」と述べ、自治体と連携して施設整備を進める考えを示した。また、大学入学共通テストでの英語民間試験について高校現場や受験生から延期を求める声が上がっていることについては、「実施を前提に全力をあげたい」と述べ、延期する考えがないことを改めて明言した。

学校のICT環境整備について説明する萩生田光一文科相

学校のICT環境整備について、「麻生内閣で校内LANを整備し始めたが、残念ながら、各自治体の対応は非常にまばらだった。同じフロアで同時にパソコンを開くと画像が動かなくなる学校もあれば、Wi-Fi利用で教室の真ん中にいる子供のパソコンは動くが、隅では動かないといった学校もある。そうした現場の実態は承知している」と現状認識を説明。

その上で、「大学機関をつなぐSINETを公立の小中学校にも開放すべく、インフラ整備をしていきたい。言うなれば、高速道路はできているけれども、インターやそこから降りる道ができていない状況だ。自治体にも努力してもらい、(ICT環境の整備には)特に力を入れていきたい」と述べた。

EdTechに関しては、デジタル教材の導入について、「デジタル教材は民間でずいぶん進んでいると思う。いい教材があるのに、その教材を使えるICT環境がないことが問題だ」と指摘し、デジタル教材の普及に向けても早急なインフラ整備が必要との見方を示した。

また、大学入学共通テストでの英語民間試験の活用について、ゼロベースで見直す考えがあるかとの質問に対し、「グローバル化が進展する中、英語のコミュニケーション能力の向上が求められており、それに対する新しい試験制度が必要だ。不安に思う気持ちも理解しているので、しっかり耳を傾けて不安解消あるいは良い制度にできるよう努力していきたい」と述べ、不安解消に努める考えを改めて表明した。

だが、高校現場や受験生から延期を求める声が上がっている点については、「見直しや廃止は大きな混乱になるので、実施を前提に全力をあげていきたい」といい、実施延期を求める全国高等学校長協会(全高長)の要望には応じない考えを明確にした。