第三者委員会の在り方で議論開始 いじめ防止対策協議会

いじめ防止対策協議会の今年度初会合が9月13日、文科省で開かれ、いじめの重大事態が発生した際に設置される第三者委員会など、調査組織の在り方について議論をスタートさせた。席上、調査組織を巡る現状や課題を整理した論点メモが提示され、調査組織の目的や調査の進め方、重大事態といじめとの因果関係など調査組織が事実認定する範囲など、これから協議会で議論すべき論点が報告された。

第1回会合であいさつする森田洋司座長

冒頭、昨年度に続き座長に選任された森田洋司鳴門教育大学特任教授は「いじめの重大事態を巡る調査の在り方については昨年度から議論してきており、実際にどう学校現場や子供たちに役立てていくかという観点から、活発に議論いただきたい」とあいさつした。

続いて文科省の担当者が論点メモについて説明。第三者委員会など調査組織の現状について、①調査組織の目的や位置付けについて、事実関係の明確化や再発防止策の提言、責任者の追及などを巡って、保護者や調査組織の委員などの間で認識の差があるのではないか②調査組織には警察のような十分な捜査権限がないので、調査結果の内容はバランスを欠いているのではないか③学校や教育委員会に対する保護者の不信感が根強い場合があり、調査結果を報告しても関係者に不満が生じることがある――と整理した。

その上で、協議会で議論すべき論点として、▽調査組織が何をどの程度明らかにするのか、関係者で認識を共有することは可能か▽標準的な調査スケジュールや手順の在り方▽被害児童生徒の保護者らとの信頼関係を、どう構築するか▽重大事態といじめの因果関係を、どこまで認定すべきか▽被害児童生徒の病気や家族状況など、本人の要因をどこまで認定すべきか▽調査組織の委員の人選と人材確保はどうすればよいか▽再発防止策の在り方――などの課題をずらりと挙げた。

委員からは「重要なのは、不登校などでいま苦しんでいる子供たちへの支援だ。一方で、自殺の場合、遺族は何があったのかを知りたい。それらを区別して議論すべきだ」「第三者委員会はブラックボックスだ。終了後に委員長が議論の概要をブリーフするなど、信頼性の担保が重要だ」「再発防止策は親や大人が議論するのではなく、子供たちに考えてもらうのがいい」「学校では事実認定のベースになる情報が、きちんと記録されていないことが多い。記録をきちんと残して組織的に把握し、その行為がいじめに当たるかどうか、組織が判断するのがいい。だが、記録を残すには人的資源が問題になる」といった意見が出た。

いじめ防止対策協議会は、いじめ防止対策推進法に基づき、いじめ対策の取り組み状況の把握と関係者の連携強化、実効的な対策の実施を目的に1年単位で設置されている。