【未来の先生展】自由の森学園理事長 「人間を通した言葉で」

教育イベント「未来の先生展2019」の初日だった9月14日には、自由の森学園中学校・高校の鬼沢真之理事長が「教師が自由であることについて考える」をテーマに講演した。

教師のあり方について語る鬼沢理事長

自由の森学園は制服や校則、定期試験がない自由な校風が特徴で、点数で序列をつけず、生徒一人一人の個性を尊重する学びを理念に掲げている。

かつては同学園の教諭であった鬼沢理事長は「点数や評定が、子供たちの価値や人格そのものとして捉えられつつある。そういった中で育つ子供たちは、他人との競争自体が目的となり、自分の外に目標を求める。その結果、自分自身を見失ってしまう」と警鐘を鳴らした。

生徒は作品づくりやレポートで学習成果を表現し、教員が一点一点、文章でフィードバックするという、同学園の特徴的な評価方法を紹介。

「子供たちはたくさんの大人から言葉を投げ掛けられ、自己を形成していく。記憶することではなく、対話力や思考表現力を育みたい」と述べた。

学習評価に使われている「学習の記録」

さらに、「主体的な子供を育むためには、教師が主体的になる必要がある。教師が自らの頭で考え、自由で創造的な実践をしていることが、子供を主体的に育てる土台となる」と強調。そのために、現場の教師に決定権や権利を委ねる必要があるとした。

また、「競争に勝つことは人生に不可欠」「多様な答えを嫌う」など、教師が無意識に抱く「ヒドゥンカリキュラム(隠されたカリキュラム)」が、子供たちに大きく影響を及ぼすと指摘。

「言葉にしていなくても、子供たちに感じ取らせてしまっている圧力や価値観があるのではないか。自分自身や学校について、定期的に振り返ってほしい」と話した。

それらを踏まえ、教師が主体的になるために、「子供たちにどうなってほしいのか、自分の言葉で語ってほしい。人間を通した言葉でしか子供たちは動かない。教育はAIにのっとられてはいけない」と呼び掛けた。