推薦廃止、調査書も大幅見直し 広島県高校入試

広島県教委は9月18日までに、現在の推薦入試は廃止するなどとした、県立高校入試制度改革の素案を、県教育委員会議で示した。そのほか、調査書を簡素化し、一般入試で全受験者に面接を課すなど、2001年度から大枠を維持してきた現行の入試制度を大きく見直すとしている。主体的な高校選びや、中高の授業時数確保、教職員の働き方改革などが狙い。

同県の県立高校では2月下旬から3月下旬にかけて、推薦入試(選抜Ⅰ)、一般入試(選抜Ⅱ)、2次募集(選抜Ⅲ)を実施してきた。約2カ月間と長期間に及び、生徒や教職員への負担が大きいことなどから、素案では現在の中学1年生が受験する22年度入試で、選抜Iと選抜Ⅱを一本化。新たに「一般入試」として、2月下旬か3月上旬のいずれかに実施するとしている。選抜Ⅲは3月下旬に実施する見込み。

また、調査書のあり方も大幅に見直し、スポーツや文化、ボランティアなど、中学校3年間の活動の記述は、受験者が自ら作成して提出する「自己PR書」に置き換える案を示した。現在の中学2年生が受験する21年度入試から導入したいとしている。

これまで通り中学校が調査書に記載するのは▽名前▽性別▽学習の記録――のみで、特別活動の記録は受験者本人が自己PR書に記す。また、現行の制度では中学校の全学年について学習の記録を記していたのが、21年度入試からは2・3学年のみになるとしている。

調査書については、県教委が今年6月、入試制度の見直しに向けた検討を始めると表明していた。8月には県内公立学校の校長を対象としたアンケートの結果を公表。それによれば、86.1%が調査書の簡素化に肯定的だとし、88.4%が入試の簡素化に賛同していた。

また、統合後の一般入試では、受験者全員に自己PR書を活用した面接を課すとともに、各高校が特色に応じて、調査書と学力検査以外の選抜方法を追加でき、それぞれの配点を独自に設定できる仕組みを導入するとした。

平川理恵教育長は「広島県の15歳の生徒に、どのような力を身に付けさせたいかという観点からの改善だ」とした上で、自己PR書や全受験者に対する面接の導入について「『人がどう評価するか』ではなく、『自分はこういう人間で、こういうことが得意だ』と主体的にPRする力が、これからの時代に求められる」と説明した。

委員からは「生徒や保護者の意見を十分聞いてほしい」といった意見が出された。県教委は素案を基に、県民に広く意見を聞きながら詳しい制度設計を進め、年内に最終案をまとめたいとしている。