変形労働時間制は給特法の改悪 現職教員が反対署名

今秋の臨時国会で給特法の改正法案が提出され、1年単位の変形労働時間制の導入が審議される可能性が高いのを受け、現職高校教員の斉藤ひでみ氏(仮名)らが9月16日から、変形労働時間制の導入に反対する署名活動を開始した。開始から3日がたった19日午後6時現在、約2万5000筆の賛同が寄せられている。斉藤氏らは、変形労働時間制の導入は教員の長時間勤務の改善につながらず、かえって労働環境の悪化を招くと懸念。集まった署名を基に、国会に請願書を提出する考え。

署名は、インターネット署名サイトの「change.org」で募集しており、署名への賛同だけでなく、教員らからのコメント投稿も呼び掛けている。

呼び掛け賛同人には、教育社会学者で教員の長時間労働の問題に取り組む内田良・名古屋大学准教授や、教育哲学者の苫野一徳・熊本大学准教授らが名を連ねている。

授業のある学期中の労働時間を長くする分、夏季休業期間中などの労働時間を短くするなどして、年間の労働時間を調整する変形労働時間制について、斉藤氏らは、統計上の残業時間の削減にはつながっても過酷な勤務実態は変わらないと指摘。

さらに①長期休みになる前に過労で倒れる教員が増える②子育てや介護を抱えている教員が、従来の定時で帰れなくなる③授業準備などの勤務時間外の業務はなくならない④勤務時間が延びることで、放課後の部活動の顧問を職務命令される可能性がある⑤夏休みに年次有給休暇(年休)を消化しにくくなる⑥土日の部活動指導や授業準備などと同様、休みであっても出勤する状況は変わらない――ことを問題に挙げている。

斉藤氏は「変形労働時間制が導入されると、今まで以上に教員の負担が重くなるのではないか。このままでは、教員や社会が制度についてよく知らないまま、導入が進められてしまいかねない。国はもっと多くの教員の声を聞いた上で、導入の是非を議論してほしい。そのための呼び水として、署名活動を展開したい」と話している。

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