【全国学力・学習状況調査】英語「話すこと」の検証報告

今年初めて実施された全国学力・学習状況調査の中学校英語「話すこと」調査について、文科省は9月20日、全国的な学力調査に関する専門家会議の第3回会合で、ワーキンググループがまとめた検証報告書を公表した。報告書では、コンピューターのスペック不足や調査設計上の問題点などを指摘。次回調査に向けて、学校のICT環境整備の必要性を提言した。

特例措置を適用した理由

英語「話すこと」調査は、英語調査を実施した学校数の95.0%に相当する9489校で実施され、92万7196人の生徒が参加。

特例措置によってあらかじめ「話すこと」調査への参加を見送った学校は434校、調査実施後に音声データの欠損があったのは参加生徒数全体の1.6%を占める1658校の1万5298人に上った。

特例措置を適用した理由は、「環境復元機能の一時解除、シンクライアント方式のため必要となった高性能USBメモリの購入、PC整備の予算措置が間に合わなかった」が50%、「推奨環境は満たしていたが、事前検証ツールが正常に作動しなかった」が30%を占めた。

音声データが欠損した原因は▽ヘッドセットと内蔵マイクのハウリング▽コンピューターの動作スペックに余裕がなく、プログラムが正常に作動しなかった▽調査時に録音・保存が正常になされているかを確認する機能がなかった▽生徒数と回収データ数が一致しているかの確認方法が十分機能しなかった――など、コンピューターの状態や調査設計上の問題点を挙げた。

また、調査に参加した生徒からは「調査プログラムの操作方法に戸惑った」「近隣の生徒の声が聞こえ、落ち着いてできなかった」などの意見もあった。

これらを踏まえ、報告書では▽ハードウエア・ソフトウエアの種類を簡潔にし、多様なICT環境に対応できる工夫▽データ欠損が生じた場合の調査のやり直しの期間・手順や、全設問が確実に録音できているかを確認できる仕組みの設定▽外部音の遮断や間隔を空けた座席配置の配慮、「話すこと」調査を生徒が事前体験できる機会の提供▽遅くとも調査実施年度の2年前に実施方法や求められるICT環境を提示――などを提言。

英語「話すこと」調査の検証報告書が示された専門家会議

さらに、学校のコンピューターとウェブブラウザーを活用したオンライン調査の可能性や、ICT環境の整備促進についても明記した。

専門家会議の委員で、WGのメンバーでもある戸ヶ崎勤・埼玉県戸田市教育委員会教育長は「全国の多様なICT環境の中でCBTによる調査を実施したことは挑戦だったが、学校のICT環境整備の遅れが浮き彫りになった。次回調査では、少なくともUSBメモリを使用する方式はやめるようにしたい」と述べた。


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