外国人児童生徒2万人が不就学 文科省、初の調査で推計

文科省は9月27日、小学校や中学校に就学していないとみられる外国人児童生徒が、全国に1万9654人いると推計した調査結果を公表した。学齢に相当する外国人児童生徒で住民基本台帳に記載されている人数と市町村教育委員会から報告のあった人数には9886人もの差があり、市町村が外国人児童生徒の就学状況を把握しきれていない実態が浮き彫りとなった。調査結果を受け、同省では、市町村教委に対し、外国人児童生徒の就学状況の把握や就学への働き掛けに取り組むよう促す考えだ。

市町村教委が把握している外国人児童生徒の就学人数

文科省が外国人児童生徒の就学実態について全国調査をしたのは、今回が初めて。東京都特別区を含む1741市町村教育委員会に対し、学齢相当の外国人児童生徒で住民基本台帳に記載されている人数と、今年5月1日時点で市町村教委が就学実態を把握している外国人児童生徒の人数を調べた。

それによると、学齢相当の外国人児童生徒のうち、市町村教委が就学実態を把握している人数は①義務教育諸学校 9万6395人②外国人学校など 5004人③不就学 1000人④出国・転居(予定を含む) 3047人⑤就学状況を確認できず 8768人――で、①~⑤を合計すると11万4214人となる。住民基本台帳に記載された学齢相当の外国人児童生徒は12万4049人で、その差の9886人(住民基本台帳の人数を報告せず、就学実態を把握している人数だけを報告した市町村の51人を含む)について、市町村教委で就学状況を把握できていないことが考えられる。この9886人に③と⑤を加えた1万9654人が、不就学である可能性が高い。

調査では、外国人児童生徒の就学促進に対する市町村教委の取り組みについても集計。学齢相当の外国人児童生徒がいないケースも含め、外国人児童生徒に対して学齢簿に準じるものを作成していないのは396市町村(22.7%)、外国人児童生徒がいる家庭に就学案内を送付していないのも649市町村(37.3%)あった。

また、日本語指導の支援者について、雇用・登録があると答えたのは、502市町村(28.8%)、母語支援員の雇用・登録があると答えたのは399市町村(22.9%)にとどまった。

日本では、外国人の保護者には子供の就学義務がないため、市町村教委によっては住民基本台帳の情報を照らし合わせていなかったり、就学状況を把握しきれていなかったりしている実態が調査によって明らかとなった。文科省は今年3月に、教委などに対し、外国人児童生徒の就学状況を把握し、就学案内を徹底するよう通知。学齢期に当たる外国人児童生徒が就学機会を逃さないよう、住民基本台帳の情報に基づき、保護者に対して小・中学校への入学手続きをまとめた就学案内を送ることなどを求めていた。今回の調査を踏まえ、同省は、外国人児童生徒の就学に積極的な市町村教委の取り組み事例を全国に紹介し、市町村教委に対応を促していくことで、外国人児童生徒の不就学を減らしていく考えだ。


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