中高生がダイバーシティワークショップ 東京パラ見据え

中高一貫校の東京都品川区、品川女子学院(仙田直人校長、生徒1282人)は9月28日、抽選で選ばれた中高生30人を対象に、2020年の東京パラリンピックに向けた特別講座「ダイバーシティワークショップ」を開催した。視覚障害者や聴覚障害者との意見交換と、光や音のない世界の疑似体験を通して、参加者は障害者に対しての理解を深めた。

耳栓をして、発話しない状態でコミュニケーションを図る生徒らと竹内教諭

障害者を支援するサービスを手掛ける「PLAYERS」のタキザワケイタさんがファシリテーターを務めた。

聴覚障害を体験するコーナーでは、生徒らは耳栓をつけ、発話禁止でコミュニケーションを取ることに挑戦。グループごとに、ホワイトボードや電子メモパッドを使って自己紹介したり、口の動きだけで相手の発している言葉を当てるゲームをしたりした。

さらに参加者全員で、血液型別や誕生日別に分かれるゲームを実施。身ぶり手ぶりでアルファベットを表現したり、口を大きく動かしたりして意思疎通を図った。

生徒は「声が聞こえないので相手の表情を観察するようになったし、自分が話すときも表情豊かに話そうと工夫した」「ただ会話をするよりも、距離が近づける気がした」と話す一方で、「なかなか伝わらず、同じことを何度も繰り返さなければいけないので、ストレスがたまるだろうと想像できた」と、苦労に気付いたという感想もあった。

ゲストとして招かれた、聴覚障害のある大学4年生の高橋真優さんは、生徒から耳が聞こえないことでトラブルやストレスを感じる場面があったかと質問され、「後ろから声を掛けられたり、うるさい場所だったりすると、特に聞こえづらく周囲の状況に左右される。なかなか理解してもらえず、トラブルになることもあった。『もういいよ』と相手に言われるのが怖くて、聞き返せずに愛想笑いや聞こえたふりをすることもある」と解答。

また音楽は聴くのかといった質問には、「健常者が、音楽を聴いて何が楽しいのか分からなかった。でも高校生の頃に初めて補聴器用のスピーカーで音楽を聴いて、涙が止まらなくなった。ドラムやギター、いろいろな音が鳴っていて感動した」と明かした。

高橋さんの話に生徒らは真剣に耳を傾け、積極的に質問を投げ掛けた。

担当した情報科主任の竹内啓悟教諭は「音や光のない世界を体験し、皆さんの中に当事者意識が芽生えたように感じる。『コミュニケーションが取れたことがうれしかった』と感想を発表してくれた人がいた。来年に控えた東京オリパラをはじめ、多様な人とコミュニケーションを取る機会が、これからますます増えるだろう。自分から積極的に動き、そのような機会を作ってほしい」と、生徒らに呼び掛けた。