プログラミングの授業の視点とは STEM教育学会が大会

日本STEM教育学会の第2回年次大会が9月28日、東京都豊島区の豊島岡女子学園中学校高校を会場に開催され、シンポジウムや研究発表が行われた。一般研究発表では、新学習指導要領の全面実施を見据え、小林祐紀・茨城大学准教授が、小学校でのプログラミング教育の授業設計に求められる10個の視点について報告。平野恵・大妻中野中学校高校教諭が、ビジュアル型プログラミング言語「Scratch」の音声合成ツールを活用した英語習得プログラムについて提案した。

授業設計の視点を発表する小林准教授

小林准教授は、プログラミング教育に1年以上継続して取り組んでいる3人の小学校教員のインタビューデータを分析し、小学校のプログラミング教育の授業を設計する上で実践者が重視している視点を10個抽出。

付箋紙やホワイトボードなどの思考を可視化できる教具を用意することや、自分が作ったプログラムをグループ活動の中で説明するなど、思考・表現する場を設定することなどがあった。また、授業を通じて児童にプログラミング的思考を意識させたり、日常生活とプログラミングを意識させたりといった視点も入っていた。

小林准教授は「小学校でのプログラミングの授業実践や教材は増えてきているが、指導案や教材をそのままやるだけでは意味がない。教員が自分でプログラミングの授業をつくっていけるようにならなければならない。この研究を基に、児童の発達段階に応じたプログラミング授業に関する指標を開発していきたい」と展望を述べた。

情報科を担当する平野教諭は、プログラミングを通じた英語の文法や単語の習得効果に着目。日常的にあまり使う機会のない、オンライン英会話上での機器のトラブルを伝える際の英語表現を題材にした、プログラミングの授業を提案した。

具体的には、プログラミング言語は初心者でも扱いやすい「Scratch」の音声合成ツールを利用し、クリックすると「This line is quite noisy.(音声がガサガサしています)」などの言い回しを音声で読み上げるプログラムを生徒に作成させる。

平野教諭は「プログラムで入力ミスがあれば正しく話さない。試行錯誤するうちに自然と英文を目や耳で確認する回数が増え、英語の文法や英単語を理解するのに役立つ」と考察した。

同大会には、教育関係者ら約100人が参加した。

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