来春から中学給食無償化 政令・中核市で全国初、明石市

兵庫県明石市が来年4月から、保護者の所得にかかわらず中学校給食を完全無償化する方針を固めたことが、10月1日までに分かった。同市では独自に第2子以降の保育を無償とし、必要な保育料を負担していたが、10月1日からの幼児教育・保育の無償化でその財源が浮くため、給食無償化に活用する。学校給食の完全無償化は、明石市のような中核市では全国初で、政令市でも例がない。

同市では市立中学校全13校で給食を導入している。いずれも自校給食ではなく給食センターでの調理で、給食費は生徒1人につき年間約5万4000円。市全体では計約3億5000万円で、経済的に困窮する家庭にはすでに補助していたが、来春からは全中学生の給食費を市が負担する。

市立小学校も全校で給食を導入しているが、幼保無償化で浮く財源は年間約7億5000万円で、小中学校の両方を給食無償とするのに必要な約10億2000万円は負担できないため、高校受験や部活動などで保護者の経済的負担が大きい中学生を優先することにした。貧困対策の役割も期待しているとして、今後は小学生の給食無償化も検討するという。

乳幼児に関しても、国の制度では幼保無償化後も、給食費のうちおかず代に当たる副食費は保護者負担として徴収するが、同市では10月1日から完全無償とし、新制度に移行していない私立幼稚園などについても後日、副食費相当額を償還払いする仕組みにする。

中学校給食無償化は2020年度当初予算案に関連経費を盛り込む方針。泉房穂市長は「子供が安心して学べる環境をつくることが、人口増や税収増につながり、好循環となる」としている。

文科省が実施した2017年度の全国調査によれば、給食無償化を実施している自治体は、小中学校の両方で実施しているのが76市町村(4.4%)、小学校のみが4市町村(0.2%)、中学校のみが2町(0.1%)となっている。実施しているのは町村や人口1万人未満の市など人口規模が小さい自治体で、政令市や中核市はこれまで例がなかった。