全市立小中で担任制見直し、チーム指導へ 富山県南砺市

富山県南砺市教委は9月30日、全市立小中学校17校で、従来の「1学級1担任」の体制を見直し、複数の教員が学年全体や2つの学年を指導する「チーム指導」を導入する案を、市総合教育会議で示して了承された。教員の時間差出勤も取り入れる。文科省初中局初中教育企画課は「市全体での取り組みは全国的にも珍しい」としている。

同市教委は導入の経緯について、教員に経験や得意分野で個人差があることから、特に担任が全教科を教える小学校では児童の学びに違いが生じる恐れがあるとして、1学級1担任制の見直しに乗り出したと説明する。

来春からは、小学校では一部の授業、朝礼、ホームルームを学級・学年をまたいで合同で行う。各科目や特別活動をそれぞれ得意な教員が中心となって実施することで、授業の質の向上を図るほか、若手教員が業務を通じてベテランから学ぶOJT(職場内訓練)につなげる。準備にかかる教員の負担を軽減する狙いもある。

学年をまたいで合同指導する教科は、学習指導要領が2年間での履修を示す図工や音楽など。教室の広さや各学級の人数といった学校の実態に応じ、柔軟に対応する。教員数の増減はない。

中学校では、学年に配属された教員がチームとなり、交代で朝礼やホームルーム、給食の指導をする。部活動の指導などで退勤が遅くなることを踏まえ、朝礼を担当しない教員は2校時から出勤できるようにする時間差出勤を導入して、長時間勤務の解消を図る。

同市教委によれば、学年・学級をまたいだ合同指導は県内外の多くの小中学校で一部導入されているが、全市的に取り組むのは県内では初めて。

松本謙一教育長は「市全体での取り組みは全国的にも先駆的だ。チャレンジ型の市なので、先生方とともに新しいことに挑戦していくチームの機運を高めていきたい」と語り、「子供はもちろん、教員にとっても価値ある学校づくりにつなげたい」と意気込む。

同市ではほかにも、業務を自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を今年4月から本格導入し、市税関連のデータ入力などを自動化している。市全体で年間400時間以上の業務削減効果を見込んでおり、今後は職員の出退勤管理にも導入して、さらなる効率化を目指すという。