いじめ防止法改正で議員連盟 勉強会を発展、馳座長明かす

「座長試案」が示されて以降、超党派の国会議員らによる勉強会での議論が停滞している、いじめ防止対策推進法の改正。いじめ問題に取り組む関係団体からは、当初示された「条文イメージ案」をベースとした改正を求める声が上がる一方、教育新聞が行っている「Edubate」の読者投票では10月10日午後7時現在、条文イメージ案にあった教員の懲戒規定について「盛り込むべき」が33%、「盛り込むべきではない」が55%と意見が分かれている。同日、教育新聞のインタビューに応じた勉強会座長の馳浩衆院議員(元文科相)は、勉強会を議員連盟に発展させた上で、法改正に向けた議論や、多様化するいじめ問題に取り組んでいく考えを明かした。

いじめ問題には法改正だけでなく、総合的な対策が必要と強調する馳座長

議員立法であるいじめ防止対策推進法を巡っては、今年の通常国会での改正案提出を目指し、超党派の国会議員らによる勉強会が継続的に開かれ、いじめにより自死した児童生徒の遺族らを含む関係者からのヒアリングなどが行われていた。

昨年末に勉強会は、同法に基づかない対処を行った教員に対する懲戒や、「いじめ対策主任」の設置などを盛り込んだ「条文イメージ案」を示したが、今年4月には「条文イメージ案」を見直した「座長試案」が示され、ヒアリングに出席した遺族や一部の団体が反発していた。

馳座長は、条文イメージ案のように、文科省が同法に基づき策定した「いじめ防止対策基本方針」の内容を条文に反映させることについて、「遺族側の気持ちは分かるが、全てを条文に落とし込み、教員を懲戒の対象とすることは、多忙化に拍車を掛けることになるし、教員を萎縮させることにもつながる」との見解を示した。その上で、いじめ防止対策の実効性を高めるためには、法改正だけでなく、専門人材の育成や予算措置を含めた総合的な取り組みが必要だと強調した。

法改正に向けた議論については、超党派の勉強会を「格上げ」した議員連盟を作り、いじめに関する多様な課題に取り組んでいく考えを明らかにした。

「神戸市で起きた教員同士のいじめ問題は、子供たちに大きな影響を与える。このような、法律で想定していなかった問題への対応などを考えても、議連は必要だ。法改正に向けては、議連の中で立法チームを作って進めるのがベストだ」と説明。

さらに、「現行法ですら現場の理解が浸透していない。法律では想定外のことが今後起こる可能性もある。対象に高等専門学校や各種学校を入れるかも検討課題だ。教育現場におけるいじめの問題は、学力向上や人間性の育成と同等の課題として、継続して取り組んでいく必要がある。法改正だけがゴールではない」と強調した。

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