学校の「過失」と「責任」確定 大川小津波訴訟、最高裁

東日本大震災の津波で犠牲になった、宮城県石巻市立大川小学校の児童23人の遺族が、市と県に約23億円の損害賠償を求めた訴訟で、最高裁は10月11日までに、上告を退ける決定をし、約14億円の賠償を命じた2審判決が確定した。

被災から約10日後の大川小学校(東京都公立学校教職員組合提供)

大規模自然災害の中で発生した学校管理下での被害をめぐり、事前対策の不備を指摘して賠償を命じた初の司法判断。「津波襲来は予見できた」と、学校の過失と責任を認めた2審の仙台高裁の判断が維持された。

2審判決などによると、2011年3月11日午後2時46分の地震発生後、同校の教職員は児童に校庭で待機するよう指示。児童は約50分間、その場にとどまったという。校庭近くの北上川堤防付近(標高6~7メートル)に避難を開始した直後の午後3時37分ごろ、高さ8メートルを超す津波にのまれた。児童74人と教職員10人が死亡・行方不明となり、当時校内にいて助かったのは男性教務主任1人と、児童4人だけだった。

この訴訟では、①津波の到達を予見できたか②津波の被害を回避し、児童を救えた可能性があったか――の2点に争点が絞られた。

遺族側は「防災無線や市広報車からの情報で津波の襲来は認識できた。裏山などへ避難すれば全員が助かった」と訴え、市などは「当時得られた情報から想定を超える規模の津波は予見できず、結果は回避できなかった」と主張した。

昨年4月の2審判決は、校舎が北上川堤防に近接していたことから、津波が堤防を越えて襲来する危険性を予見できたと判断。当時の校長らが独自に市のハザードマップの信頼性を検討し、約700メートル離れた山を避難場所として危機管理マニュアルに盛り込むなどしていれば、児童らは助かったとした。また、市教委にもマニュアルの是正指導をする義務があったと指摘した。

16年10月の1審・仙台地裁判決では、教職員の避難誘導に過失があったとして市と県に損害賠償を命じ、遺族ら原告と市・県側被告の双方が控訴した。

最高裁が2審判決を支持したことを受け、遺族側の代理人を務める吉岡和弘弁護士は教育新聞の取材に、「全国の学校関係者に子供を守る注意義務や事前の備えが課される先例になる。国は、2審判決で示された事前の防災対策を基準として、全国の学校に指示してほしい」とコメント。

遺族の代表者は「再発防止につながる決定だ。学校防災への取り組みが進むよう期待している」と話した。

津波被害を巡っては、遺族が自治体などに損害賠償を求める訴訟が複数あった。同県東松島市立小学校に通っていた女児の遺族が市に賠償を求めた訴訟では、最高裁が18年に市側の上告を退け、遺族への約2650万円の支払いを命じた判決が確定した。


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