探究授業にSTEAM教育導入で一致 中教審高校改革WG

中教審は10月15日、高校改革を議論する「新しい時代の高等学校教育の在り方ワーキンググループ」(高校改革WG)の第4回会合を都内で開き、新学習指導要領で始まる「総合的な探究の時間」や「理数探究」におけるSTEAM教育の位置付けを検討した。委員らは、STEAM教育を探究などの学習で取り入れる方向性でおおむね一致した。一方、STEAM教育を展開する上で、日本の高校ではカリキュラムの自由度が少ない現状を懸念する声もあった。

高校の新学習指導要領では、従来の「総合的な学習の時間」を「総合的な探究の時間」と改め、各高校が目標を定めた上で、地域が抱える課題や分野横断的な問題について、生徒が自立的に取り組む探究的な学びを重視している。また、共通教科として新設される「理数探究」でも、数学的・科学的な手法を用いて課題解決学習を展開することがうたわれている。他方で、Science、Technology、Engineering、Mathematicsの頭文字を取ったSTEMに、ArtsまたはLiberal ArtsのAを加えたSTEAM教育によって、容易に答えがみつからない現代社会の問題に対処する資質・能力を育成する動きが世界的に注目されている。

こうした状況を踏まえ、この日の会合では、WG委員の奈須正裕・上智大学教授が新学習指導要領の教育課程におけるSTEAM教育の位置付けについて報告した。奈須教授は、高校の新学習指導要領の探究的な学びとSTEAM教育の親和性の高さを指摘した上で「STEAM教育は自由度の高いカリキュラムでやる必要がある。また、孤立的に展開するのではなく、カリキュラムの核としてSTEAM教育を位置付け、各教科・科目の学びをつなげていくことが重要だ」と強調した。

また、課題として▽教科担任制の中学校や高校では学級担任制の小学校と異なり、合科的な指導の視点が弱い▽Technology、Engineeringの分野をどう充実させていくか▽小、中学校段階までの「総合的な学習の時間」との連携強化――を挙げた。

出席した委員からは「質の高い教科書をベースに教科指導をする日本に対し、米国などでは複数の教材を組み合わせ、教師が授業やカリキュラムを作っている。自由度を持たせて教師が自立して授業を組み立てることを支えることが大事だ」「リベラルアーツの考え方が重要だ。テクノロジーやエンジニアリングがクローズアップされがちだが、リベラルアーツを限定的に捉えてしまうと高校現場での実践は苦しくなる」「学習意欲が低い生徒にはSTEAM教育は難しいとの話をよく聞くが、実際にやってみると全く違う。きっかけをどう与えるか。それぞれの学校の教育課程でカリキュラムマネジメントを進めていくことで、生徒一人一人の可能性を広げていくことができる」などの意見が出た。

関連