「共にしぼる思考力」に着目 埼玉大附属小で公開授業

埼玉大学教育学部附属小学校で10月15日、「学びの本質を育む授業の創造」をテーマとする教育研究協議会が開催された。最終年次の8年目を迎えた今年度は、育成したい力として「ともに広げ、ともにしぼる思考力」を掲げ、協働的思考力に着目して全教科で研究を展開。15日には図画工作や体育など5教科の公開授業と研究協議が実施された。

「風景の中の世界」を題材にした図画工作の公開授業

同校の図画工作は、国立教育政策研究所から指定を受け、「子供の思いを生かす指導と評価の工夫」をテーマに研究が行われている。公開された5年生対象の授業では「風景の中の世界」を題材に、学校の敷地内を舞台に一人一人が自由に想像した世界を紙粘土で表現する実践が披露された。

授業で特徴的だったのは、▽途中に「捉え直しタイム」を設定し、他の児童からコメントを得ることで、自分の表現を検討し直させる▽ある程度完成したら、位置や角度を変えながらタブレットで作品を撮影させ、見え方の違いを感じさせる▽作品を撮影した写真を「風景の世界写真展」を開いて展示し、それぞれの作品の個性や面白さを互いに分析させる――などで、対話を通じて想像や表現を広げたり深めたりできるよう工夫されている。

児童の1人は、敷地内の池から亀を連想したといい、池を大海原に見立てて「亀の海賊船」を作成。他の児童の意見を基に、「悪い海賊なのかそうではないのか、どんな探検をしているのかなどが伝わるよう、色合いや表情を工夫し直した」と語った。

児童の1人は「亀の海賊船」を作成した

担当する坂井貴文教諭は授業後の協議で、「捉え直しタイムでは、それぞれの活動場所を回りながら、互いの作品について対話できるようさまざまな声がけをした」と報告。参加教員からは児童が生き生きと活動に取り組む様子や、思考が深まり表現の幅が広がっていく過程を高く評価する声が上がった。

教育研究協議会は2日間の日程で行われ、16日には算数、理科など5教科の公開授業と研究協議が行われる。