発達障害に対応する免許を提案 特別支援教育有識者会議

これからの特別支援教育の在り方を検討している文科省の有識者会議は10月16日、第2回会合を開き、特別支援教育を担う教員の専門性向上や養成をテーマに議論した。出席した委員からは、特別支援学校における「自立活動」の重視や、発達障害に対応した特別支援教育の教員免許創設などが提案された。

特別支援教育における教員の専門性を協議した有識者会議

特別支援学校の教員は、小中学校などの教員免許状に加え、特別支援学校教諭免許状を持つのが原則だが、「当分の間」は特別支援学校教諭免許状を持っていなくても特別支援学校の教諭になることができる。そのため、特別支援学校の教員における特別支援学校教諭免許状の所持率は79.8%にとどまっている。

また、特別支援学校の教員を巡る課題として、▽小中学校の特別支援学級や通級による指導では、特別支援学校教諭免許状の取得を義務付ける法令上の規定がない▽特別支援学校教諭免許状の教育領域(視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者または病弱者)には、通級による指導で多い発達障害が含まれていない--などが指摘されている。

こうした実情を受け、大学での教員養成課程の課題を報告した一木薫・福岡教育大学教授は、特別支援学校特有の科目である「自立活動」について、教員養成段階で十分に学べない状況があると指摘。「特別支援教育の専門性の中核は『自立活動』だ。個々の子供の実態を把握し、対応することが求められる」と述べた。

一方、金森克浩・日本福祉大学教授は「私立大学には附属の特別支援学校がなく、教育実習に行くとなれば地域の特別支援学校に行くことになる。教科の免許に加えて特別支援学校教諭免許状も取得するとなると、160単位くらい取得しなければならなくなり、大学の4年間で取得するのが適切なのか、疑問に感じる」と述べ、特別支援学校教諭免許状の取得が学生の負担になっていると懸念を示した。

さらに、発達障害のある子供の学習支援などをしているLITALICO執行役員の野口晃菜氏は、発達障害を含む特別支援教育に関する教諭免許状をつくり、小中学校の特別支援学級や通級による指導を担当する教員に取得を義務付けることを提案。野口氏は「現状の特別支援学校教諭免許状では、小中学校に多い発達障害のある児童生徒への対応が難しい。また、教員養成段階から学校現場の実態を結び付けて考えるのも難しい。現場に出た後も、スーパーバイザーから個別にフィードバックを受けられるような体制づくりが効果的だ」と強調した。


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