2次試験合格を一転見直し 小学校教員資格試験に波乱

台風19号の影響で中止となった「小学校教員資格認定試験」の2次試験をめぐり、いったん受験予定者を全員「合格したものとして扱う」とした教職員支援機構の発表が一転して見直され、新たに2次試験に代わる別の評価方法を検討する波乱が起きていることが同機構と文科省への取材で分かった。見直しの理由について、文科省は10月17日、教育新聞の取材に「不正確な情報発信の仕方が背景にあった」と説明した。

小学校教員資格認定試験は広く一般社会から人材を募り教員を確保する狙いで、大学などで教職課程を履修せずとも、教員として必要な資質・能力を有すると認められれば教員資格が得られる制度。独立行政法人である教職員支援機構が試験を行い、合格すると小学校教諭の二種免許状が授与される。

試験は3次まで。マークシート式の1次試験の後、教科・教職に関する専門性や指導の実践に関する筆記・実技・口述試験の2次試験が行われる。3次試験は模擬授業や指導案作成などをするが、教育実習の単位が2単位以上あれば3次試験は免除される。過去5年間の合格率は11~14%。今年度の出願者は917人となっている。

今年度の2次試験は10月12~13日に予定されていたが、台風19号が接近してきたため、教職員支援機構は10月11日、「台風19号による気象状況の悪化や交通機関の運休などが想定され、一部の会場で受験者及び運営職員の安全が確保できないため」として2次試験の中止を決定。インターネット上で、「今回の状況に鑑み、特例として、今回の第2次試験受験予定者については、全員、第2次試験を免除し、第2次試験に合格したものとして扱う」と発表した。今後については、11月13~27日に東京学芸大学など全国5会場で実施予定の3次試験で厳正に合否を判定するとしていた。

しかし、10月15日になって、教職員支援機構は公式ツイッター上で「第2次試験を免除した全員を対象として、第2次試験に代わる別の方法で『教科及び教職に関する専門性』等を評価することを、文部科学省と当機構において検討している」と表明。一転して、2次試験を全員合格とした発表を見直す考えを示した。詳細は後日、受験者への郵送による通知やウェブサイトなどで明らかにすると説明している。

一連の経緯について、文科省教育人材政策課は「方針が変わった訳ではなく、不正確な情報発信の仕方が背景にあった」と説明。「当初から『災害等による中止の場合も含め、いかなる場合も再試験は行わない』と示しており、今回の発表は会場への移動に日数を要する受験者がいることを踏まえ、取り急ぎ中止を発表した」と述べた。2次試験に代わる評価方法については教職員支援機構と文科省で協議し、近日中に公表するとしている。教職員支援機構は教育新聞社の取材に応じなかった。

2次試験を合格扱いとする発表が一転して見直されたことについて、教職員支援機構の公式ツイッターには「別の試験で、2次試験と同等のものと判断できる基準はあるか?」「非常に腹立たしい」「間違いましたと謝ったらいい」などと反発する声が届けられている。