ネット・ゲーム依存の防止条例 香川県が全国初の制定へ

子供がインターネットやゲームの長時間利用で依存症に陥るのを防ぐため、香川県議会が「県ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)」の制定に向けた協議を進めている。10月17日には第2回の検討委員会を開き、ネット依存症の専門家らから意見聴取を行うとともに、条例の骨子案について意見交換。学校での予防教育や相談窓口の設置などが提案された。厚労省や同県議会事務局によると、ネットやゲームの依存症対策の都道府県条例は全国で初めて。

スマホ使用での悩みや心配ごと(香川県調査より抜粋)

香川県が2014年度に実施した調査では、「スマートフォンなどの使用にあたっての悩みや心配ごとがある」と答えた中学生が40.4%、小学生が25.5%を占めた。その理由として▽勉強に集中できない▽寝不足▽やり取りを終わらせることができない――が挙がった。

このため、香川県では「さぬきっ子の約束」として、▽家の人と決めたルールを守る▽自分も他人も傷付けない使い方をする▽夜9時までに使用を止める――などを打ち出している。しかしながら、「県内の子供がスマホなどでネットやゲームを利用する時間は増加傾向にある」(同県担当者)のが実情だ。

香川県が独自で条例制定に踏み切る理由について、検討委員会の大山一郎委員長は「ギャンブルやアルコール依存などと同じように国レベルで法制化する必要がある」とした上で、「ネット・ゲーム依存が深刻化する一方、国では議論が進んでおらず、法制化を待っていられない」と説明している。

17日の会合では久里浜医療センターの樋口進院長が統計調査などをもとに現状を説明。「親は時間を守らせたいが、子供はゲームをしたい」と述べ、「未成年者の行動規範を条例で示せば、それを根拠に学校や家庭などで指導ができるようになる」と語った。

検討委員会は2020年4月1日の施行を目指しており、教育専門家の意見も聞いた上で19年12月末までに条例の骨子案を策定。パブリックコメントを実施した上で、20年2月の定例会に条例案を提案する考えだ。

ネットやゲームへの依存を巡っては、世界保健機関(WHO)が19年5月、ゲームに依存して生活に問題が生じている状態を治療が必要な「ゲーム障害」として、新疾病に認定した。運用は22年からで、「ゲームの頻度や時間をコントロールできない」「ゲームのために家庭や仕事、勉学に大きな支障が生じてもやめられない」といった状態が1年以上継続されると、ゲーム障害と診断される。

また、厚労省研究班(代表・尾崎米厚鳥取大教授)が2017年度に実施した全国調査では、「ネットを使用しないとイライラする」といった病的なネット依存が疑われる中高生は全国で93万人に上ると推計されている。


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