【問題行動調査】高校中退が増加、通信制が押し上げ

高校の中途退学者の割合が2018年度に一転増加に転じた――。文科省の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」では、高校の中途退学者数が前年度までの4年連続減少から増加したことが分かった。全日制や定時制では中途退学が減っているものの、日本語指導が必要な生徒を含め、通信制での中途退学の大幅な増加が全体の数字を押し上げた。

高校の中途退学者数の推移

高校の中途退学者は、通信制課程を調査対象に加えた13年度の5万9923人に対し、17年度には4万6802人と1万3121人も減少。高校在籍者数に占める割合も1.7%から1.3%に減少していた。ところが18年度には4万8594人となり、一転して17年度よりも1792人増加した。在籍者数に占める割合も1.4%となった。

課程別では▽全日制 211人(前年度比63人減)▽定時制 82人(同43人減)▽通信制 695人(同262人増)と、通信制での増加が目立つ。さらに、公立高校では中途退学率が1.1%であるのに対して、私立高校では3.4%だった。

中途退学の理由をみると▽学業不振 3771人(7.8%)▽学校生活・学業不適応 1万6622人(34.2%)▽病気・けが・死亡 2107人(4.3%)▽経済的理由 988人(2.0%)▽家庭の事情 2054人(4.2%)▽問題行動等 1826人(3.8%)▽進路変更 1万7155人(35.3%)▽その他 4071人(8.4%)。学校生活や学業への不適応と進路変更が占める割合が大きい。

また、都道府県別に中途退学率をみると、鹿児島県と沖縄県が最も高く2.2%で、両県だけが2%を超えた。最も低かったのは福島県の0.7%だった。

文科省では貧困対策の観点からもスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置を進めているが、高校での配置は小中学校と比べて進んでいるとは言いにくい。また、文科省の別の調査では日本語指導が必要な生徒の高校中退率が顕著に高いことが指摘されている。中途退学に至った要因の分析と中途退学後も含めたサポート体制の整備が急務となっている。


関連記事