【問題行動調査】児童生徒の自殺332人 学校で把握困難

文科省の2018年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」では、小、中、高校から報告があった自殺した児童生徒数が332人に上り、前年度よりも82人も増加したことが明らかとなった。自殺した児童生徒が置かれていた状況では「不明」が最も多く、警察庁の調査との差もみられるなど、学校が児童生徒の自殺を把握しきれていない実態が浮き彫りとなった。

児童生徒の自殺に関する警察庁と文科省の調査の差

自殺した児童生徒を校種別でみると▽小学校 5人(前年度比1人減)▽中学校 100人(同16人増)▽高校 227人(同67人増)。中高校で増加した。警察庁の2018年度の統計数値と比較すると、文科省の調査は警察庁の調査より小学校で4人、中学校で22人、高校で32人少ない。文科省の調査は学校が遺族から自殺と報告を受けたケースだけを計上しているためだ。警察当局が自殺を確認していても、遺族側が学校に死亡の原因を伝えなかったり、病気などとして報告されたりするケースは、文科省の調査には反映されていない。

自殺した生徒が置かれていた状況をみると、▽家庭不和 41人▽父母などの𠮟責(しっせき) 30人▽学業不振 17人▽進路問題 28人▽教職員との関係での悩み 5人▽友人関係(いじめを除く) 16人▽いじめの問題 9人▽病弱などによる悲観 9人▽厭世(えんせい) 21人▽異性問題 22人▽精神障害 24人▽不明 194人▽その他 18人。「不明」が58.4%を占めている現状は、学校が児童生徒の自殺原因を把握する難しさをうかがわせる。

文科省では、「児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議」で、SOSの出し方に関する教育をはじめ、自殺予防教育の在り方を検討し、全国への普及を目指している。児童生徒のサインに大人が気付き、自殺に至る前に救い出すことが課題だ。

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