教員のわいせつ行為を類型化 長野県教委、再発防止で

長野県教委は10月21日、県内の教職員による児童生徒のわいせつ事案を類型化し、分析した「自校の児童・生徒へのわいせつな行為に係る検証報告書」を県内の教職員に公開した。行為に至るまでの加害教員の心理状態や思考の癖、動機などを、臨床心理士ら専門家が検証してまとめた。

報告書では2009年5月~19年4月に発生した懲戒処分事案14件を分析。各事案の被害児童生徒との関係や行為の態様などを検証し、被害生徒との関係を乱用する「関係乱用型」と、自身の性的嗜癖(しへき)を押し付ける「性嗜癖型」の2つに分類した。

さらに「関係乱用型」は、生徒の特別扱いをしてほしい心理を利用して行為に及ぶ「てなずけ型」(4事案)と、困難を抱える特定の児童生徒に過剰に同情し、のめりこんだ結果、性的な関係を持つ「救済者願望型」(3事案)に細分化。

「性嗜癖型」は、児童生徒が教職員を拒めないことを悪用する「性暴力型」(5事案)と、「盗撮型」(2事案)に分類した。

こうした事案の分析を踏まえ、性的な問題行動は衝動的ではなく段階的に行われるものだと指摘。①動機の壁(健常な性的はけ口)②内的壁(良心)③外的壁(機会の欠如)④被害者の抵抗――の4つの壁を越えた結果、性的な問題行動が発生すると整理した。類型ごとに、それぞれの壁を越える要因を示し、教職員に注意喚起した。

さらにこの検証結果を踏まえた再発防止策として、▽教職員の力の乱用の防止や教職員同士が互いに支えあえる「チーム学校」をつくる▽大きな困難を抱える児童生徒への支援や指導においては専門機関を活用するなど、組織的な対応をとる▽教職員が自分の意識や周囲の行動を振り返り、被害者のためという思考や責任転換などの思考の誤りを認識し、修正する――などと整理した。

また報告書の内容を教職員や学校だけでなく、児童生徒や保護者、地域住民にも共有することが大切だと強調した。

県教委は教職員による教え子へのわいせつ行為の再発防止に向け「わいせつ行為根絶検討委員会」を設置し、事案の検証や懲戒処分の公表範囲などを検討していた。

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