国語の「係り受け」で正答率4割 都独自の学力調査結果

東京都教育委員会は10月24日、今年7月に実施した都独自の「児童・生徒の学力向上を図るための調査」の結果について、都教委定例会で報告した。国語で文章中の言葉の係り受けについて答える問題が、小学校、中学校共に課題がみられた。また、授業の目標を認識している児童生徒ほど各教科の平均正答率が高い傾向にあることが分かった。

各教科の平均正答率

同調査は、都内の公立校で小学5年生と中学2年生を対象に、2003年度から実施している。小5は国語、社会、算数、理科の4教科、中2は国語、社会、数学、理科、英語の5教科に関する学力調査が行われ、児童生徒の意識や生活状況を聞く質問紙調査と、指導方法などの取り組みや教育条件の整備状況を聞く学校質問紙調査も合わせて実施される。

小5の各教科の平均正答率は▽国語 67.0%▽社会 66.3%▽算数 60.0%▽理科 56.6%。中2の平均正答率は▽国語 71.9%▽社会 51.1%▽数学 54.5%▽理科 49.5%▽英語 57.5%だった。

小学校理科で温度計の目盛りの正しい読み方を答える問題の正答率は74.2%で、11年度に出題された同様の問題の正答率(43.4%)と比べ大幅に改善。また、中学校英語で絵の中に描かれた人物の様子を5語以上の英文で表現する問題の正答率は57.8%で、18年度に出題された同様の問題の正答率(36.4%)と比べ、こちらも改善がみられた。

一方で、小学校国語で、文中で下線が引かれた言葉が説明している部分を答える、係り受けについて問う問題では、正答できたのは44.6%。中学校国語の同様の問題でも正答できたのは37.1%で、共に4割前後にとどまった。さらに、小学校算数で円の直径と半径の関係について説明した文章の中で、空欄に当てはまる単語を答える問題についても、正答は43.9%と比較的低かった。都教委では、これらの傾向から、文の構成を理解し、複数の情報を関連付けて表現することに課題があるとみている。

正答率が低かった国語の係り受け問題

児童生徒の質問紙調査と平均正答率の関係をみると「授業の中で目標が示されていると思いますか」という質問に「そう思う」と答えている児童生徒ほど、「思わない」と答えている児童生徒よりどの教科でも平均正答率が高かった。また、「家の人と、社会の出来事について話をしていますか」という質問に「している」と答えている児童生徒ほど、「しない」と答えている児童生徒よりも全ての教科で平均正答率が高かった。

これらの結果を踏まえ、都教委では児童生徒が授業目標を自覚して取り組めるような学習活動を促進するほか、家庭での学習や生活の大切さをまとめた保護者向けリーフレットを配布し、学校と家庭の連携を充実させる方針。

委員からは「家庭や学校外での会話量の格差が広がり、学力差にもつながっていく恐れがある。新学習指導要領で探究的な学びが重視される中、家庭での学びが困難な子供をどう支援していくか、検討する必要があるのではないか」「全国平均や他県との比較をすることが、もうあまり意味を持たなくなってきているのではないか。分析方法で新しいアプローチを検討していくべきだ」などの指摘が出た。


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