ICT支援に具体策 中教審特別部会で論点整理修正案

小学校高学年での教科担任制の導入や個別最適化された学びの実現など、これからの初等中等教育の方向性を議論している中教審初等中等教育分科会の特別部会は10月25日、第4回会合を開き、前回会合で示された論点整理案に、これまでの特別部会などでの議論を反映させた修正案を検討した。学校のICT環境整備が致命的に遅れ、地域間格差が存在することは、学習環境、職場環境の大きな問題であり、抜本的な改善が必要であるとし、修正案では自治体や学校のICT環境整備を促進する具体的な支援策を新たに盛り込んだ。

論点整理の修正案を検討した中教審の特別部会

論点整理の修正案では、個別最適化された学びや小学校高学年段階からの教科担任制を実現するためには、学校のチーム力を高め、学校における働き方改革を着実に進める必要があると強調。また、新たな検討項目として幼児教育の質の向上を加えた。

ICT環境の整備や先端技術の活用に関しては、ICTによる個別学習計画の活用や個別最適化された学びを進める上で、学年を超えた学びの位置付けを検討することなどが追加された。一方、義務教育段階では、対面の教育を通じて社会性を身に付けさせることが重要だとして、遠隔教育などを推進しつつ、児童生徒と教師が学級で共に学ぶ意義を再確認する必要性も明記した。

さらに、自治体によって学校のICT環境の整備が遅れている状況を踏まえ、自治体や学校がICT環境整備を進めるインセンティブとして▽1人1台の端末整備への支援▽安定かつセキュアな高速ネットワーク環境の整備▽デジタル教材などの学習リソースの開発▽学習ログの活用などに関するガイドラインの整備▽学校で用いられる帳票の標準化――などの政策上の具体策を示した。

また、教科担任制の在り方では、教職員定数について定めた義務標準法や教育職員免許法の在り方を含めた、教育課程、教員定数、養成、採用、研修、免許制度、教育課程などの一体的な検討や、学校の規模を踏まえた、小学校高学年の教科担任制の柔軟な実施について記述を充実。教科担任制によって小学校高学年以降で専門性の高い教育が始まるのを踏まえ、中学年までの基礎的・基本的な知識技能の習得状況をICTなどで把握することも付け加えた。

出席した委員からは、学校のICT環境整備に関連して「ICTのインフラ整備と同時に、コンテンツ開発も進めなければならない。義務教育段階で個別最適化された学びをいつまでに実現させるのかといった目標を示すべきだ。個別の学習計画についても努力義務とし、デジタル化してデータを蓄積・検証できるようにする必要がある」「教育ビッグデータは、使い方によって子供たちの支援にもなるし、教師や子供への評価に使われてしまう可能性もある。あくまでも子供の支援のために用いることを明確にすべきだ。対面による教育の重要性が加えられたが、ICTや先端技術によって、何らかの事情で学校に行けない子供に対面以外の学びを提供できるようになる側面もある。将来的に非対面型の学習や学齢の見直しも考えられる。そうした動きを踏まえた表現をしてほしい」との意見が出た。

また、教科担任制を巡っては「(教職員定数を定める)義務標準法や教育職員免許法の在り方が盛り込まれたのは高く評価したい。教科担任制の在り方は小学校から高校までを通底する。教科の専門性と教科横断的な学びの専門性を、教員の免許状にどう反映させていくか。関連する部会でも議論をしてほしい」などの指摘があった。

特別部会では11月の次回会合で論点整理案を取りまとめた上で、12月に開催予定の初等中等教育分科会に報告する方針。


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