【TALIS】幼児の発達促進 日本は特異なガラパゴス

経済協力開発機構(OECD)が10月25日に発表した「国際幼児教育・保育従事者調査」(TALIS Starting Strong)では、子供の言語能力や社会情緒の発達を促すために、保育者(幼稚園教諭や保育士に相当)が子供にどのような働き掛けをしているかが調査された。その結果、日本は、幼児の発達を促すために「子供の目線に合わせる」ことを重視するなど、他の参加国と比べ、特異な取り組みを行うガラパゴス状態になっている実態が浮かび上がってきた。

子供の社会情緒の発達を促す上位3つの取り組みの国際比較

調査では、子供の言語や基本的な読み書き能力、数的能力を伸ばす上位3つの取り組みをまとめたところ、日本以外の国では「歌やリズム遊びをする」が1位や2位に挙がる一方で、日本では「子供の目線に合わせる」ことが1位だった。また、2位は「子供の話を繰り返したり、自分の言葉に言い換えたりする」で、上位3つの中にこの項目が入ったのは日本だけだった。

さらに、社会的情緒の発達を促す上位3つの取り組みでも、「子供たちが互いに助け合うように促す」が日本と韓国以外の国では1位となっていたが、日本で1位になったのは「子供の遊びに加わっているとき楽しそうにする」で、上位3つの中にこの項目が入ったのは日本だけとなるなど、こちらでも特異な傾向がみられた。

調査を担当した小原ベルファリゆりOECD就学前・学校教育課長は「なぜこのような違いが出たのか、背景や理由までは分析していないが、それぞれの国で違ったパターンが出てくる要因として、保育者の養成・研修で推進されている活動や、保育者の個人的経験・判断、保育環境の違いが考えられる」と説明した。

また、調査では、保育者1人あたりの子供の数についても調査した。その結果、日本はイスラエル、チリに次いで参加国で3番目に保育者が担当する子供の人数が多く、20人以上を受け持っているのはこの3カ国だけだった。ただし、子供の数の大小によって保育者の子供への関わり方には大きな変化はみられなかった。

さらに日本では、特別な支援が必要な子供が11%以上いる施設の割合がチリ、アイスランドに次いで3番目に高く、社会経済的に困難な家庭環境の子供たちが11%以上を占める施設の割合は参加国中最も低いことも明らかとなった。


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