【TALIS】日本の保育者は「評価低い」と感じている

経済協力開発機構(OECD)は10月25日、日本を含む世界9カ国で幼児教育の保育者(幼稚園教諭、保育士などに相当)を対象にした「国際幼児教育・保育従事者調査」(TALIS Starting Strong)の結果を公表した。OECDが定期的に行っている国際教員指導環境調査(TALIS)の幼児教育版で、調査は今回が初めて。幼児教育の実践や職能開発、仕事への満足度などを国際比較した。調査結果からは、日本の保育者は参加国の中でも高い学歴を有している一方、子供や保護者、社会から評価されていると感じている割合が最も低い、という実像が浮かび上がった。

保育者が感じる社会、子供、保護者からの評価の国際比較

調査によると、日本の保育者の専門学校・短期大学以上の卒業者の割合は参加国中最も高く、ほぼ全ての保育者が専門学校、短大、大学のいずれかを卒業していた。また、保育者の養成研修もほぼ全てで実施されていた。参加国全体の傾向として、学士以上の教育を修了した保育者の方が、専門性を高める活動に参加する割合が高かった。

一方、保育者に子供や保護者、社会から評価されていると感じるかどうかを聞いたところ、参加国全体の傾向として、保護者や子供からが高く、社会から評価されていると感じている割合は低かった。日本を除く参加国では、子供や保護者から評価されていると感じている割合はいずれも90%を超えていたが、日本は子供からが75.8%、保護者からが63.0%で、他の参加国よりも著しく低かった。社会から評価されている感じている割合でも、日本は31.4%で、参加国の中で最も低かった。

日本の保育者が感じているストレスの原因をみると、財政的支援や物的資源、保育者などの「リソース不足」が最も高く、次いで「事務的な業務の多さ」が続いた。また、施設の経営面で、園長や所長が実力を発揮する上で妨げとなっているのは、日本の場合「保育者の不足」が1位、「不十分な園の予算や資源」が2位、「保育者の休職・欠勤」が3位だった。

調査を担当した小原ベルファリゆりOECD就学前・学校教育課長は「幼児教育・保育の質を確保するためには、どういった形で質の高い人材を確保し、その人材が一度保育の仕事に就いたらどのように雇用を継続し、能力や専門性を向上させるかが重要だ。キャリアを積めば給与やポジションが上がるようになっているかなど、評価の感じ方は保育者が働いている状況が影響している可能性がある」と指摘した。

「国際幼児教育・保育従事者調査」は、2018年にチリ、デンマーク、ドイツ、イスラエル、アイスランド、日本、韓国、ノルウェー、トルコの9カ国が参加し、就学前教育に関わる保育者約1万5000人と、幼稚園などの園長ら約3000人を対象に実施された。このうち、ドイツ、イスラエル、ノルウェー、デンマークは3歳未満の幼児教育についても調査をしている。日本では、幼稚園や保育所、認定こども園など216園を抽出し、園長・所長と保育者が質問紙に回答した。


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